マーケティング戦略を構築するには、商品に対する分析が必要です。どのような分析をすればよいのか解説します
商品戦略は視点を変えればマーケティングを有利にできる
マーケティング定義とは
人や企業などが、価値のあるものを生み出し、市場で交換や、取引を行って自らのニーズや欲求を満たすものを手に入れるためのプロセスです
定義上は売り手のマーケティングではなく、買い手のマーケティングでもあります。企業などは、購買担当などが、売り手を調査して必要なモノやサービスを調達する方法を考えます
マーケティングには5つの考え方があります
1、生産コンセプト
価格が手頃で便利な商品を好む。価格を重視して売り出す考え方です
2、商品コンセプト
品質が高く魅力的な商品を好む。商品重視で売り出す考え方です
3、販売コンセプト
プロモーションが重要になってくる。差別化が難しい商品は販売の力によって変わるので販売重視の考え方です
4、マーケティングコンセプト
買い手のニーズや欲求を満たすことが重要。一番マーケティングの成功例が多く顧客重視の考え方です
5、ソサイエタル・マーケティングコンセプト
社会の幸福を維持・向上することも重要。環境問題や社会的要請を重視した考え方です
ソサイエタルマーケティングとは社会的影響力を考えながら、社会的利益を考慮したマーケティングです
市場の捉え方
売り出す市場を理解することがマーケティングの第一歩となります。すでに獲得している顧客と、まだ存在はしているが、見つけられていない顧客をリサーチします
消費者市場を考えてみましょう。消費者市場はペルソナを作ることです
ペルソナ
どのような人?年齢は?何を求めている?など購買につながる要素を持つ人物像を設定し、販売につなげる手法です
消費者市場のペルソナを設定する
- 文化的要因。国、集団、社会が持つ文化的要素
- 社会的要因。家族、友人、職場、地位、役割
- 個人的要因。年齢、職業、所得、ライフスタイル
- 心理的要因。動機、知的、学習、信念、態度
上の要素を踏まえ、ペルソナを考えます
マーケティングの二面性
マーケティングには科学性と心理性で構築できる部分があり、別々に考えなければいけません
科学性構築
市場の変化や顧客の購買行動を可能な限り、論理的、定量的に解明し、合理的なマーケティングを行う。市場調査などによるデーター収集や分析。仮説構築とその検証の繰り返しなどです
経済学の思考法もその手法の1つです。詳しくはこちらの記事です
ですがこれだけではマーケティングには不可欠で、心理性も考えることです
心理性の構築
消費者はいつも合理的に行動するとは言えず、直感的、非合理的な行動をします。そのような心理性を考え、購買行動への対応も考えておきます。消費者への心理性に訴えるマーケティングも必要です
心理的行動を考え、経済学に当てはめた記事はこちらになります
マーケティングのプロセス
まず、プロセスを考えるには3つの流れからマーケティングを構築していきます
- 市場細分化
- ターゲット市場の設定
- ポジショニング戦略の設定
市場の細分化の必要性
市場というのは、多くの買い手から構成されており、すべての買い手は同型同質ではない。では、何が異なるのかを上げておきます
ニーズや欲求、購買力、習慣、住所・購入する場所、商品に対する考え方
これらを一緒に考えるのではなく。別々で考えたほうが合理的です
自動車の例で考えると、家族全員で旅行に行きたい、買い物に利用する、燃費優先、走行性能、安全性、ステータス、など顧客の視点は様々になるので、これらの細かな細分化を考えます
何に着目して市場を分析するか?
顧客を切り分けて考えるとき、注目すべき4つを紹介します
- 地理的変数
国や地域、国内の都道府県、都市と地方、気候など - 人口動能的変数
年齢、性別、家族の数、世帯構成、収入、職業、学歴、宗教、人種、国籍 - サイコグラフィックス
社会階層、ライフスタイル、性格(もっとセレブになりたいなどの考え) - 行動・機会
機会や商品の利益(記念日などの商品)
ターゲット市場の設定
市場には様々な顧客がいることを前提に、マーケティングも3つに分けて市場の戦略があります。3つの戦略を見ていきましょう
無差別戦略マーケティング
商品を細分化せず、1つの主力商品で市場で勝負する戦略です
ゲーム市場がそうです。任天堂やソニーはハードのみで市場を独占しています。ハードのバージョンアップはあっても、他種様々に投入しているわけではありません。技術の向上により1つのハードで顧客を獲得をしています
差別化戦略マーケティング
これは無差別とは違い、差別化し顧客に合わせた商品を大まかに分けて、市場に投入するやり方です
例えばA層にはA商品。B層にはB商品と言って感じです。事例ではライオンの歯磨商品です。様々な歯の症状に合わせて、歯磨き粉が違います
商品の数は増えますが、顧客に合わせた戦略なので、顧客獲得には有利な戦略です
虫歯予防、口臭予防、白い歯、歯周炎予防など
集中型マーケティング
これは無差別戦略の逆になります。無差別は商品を1つに絞って市場に投入しますが、集中型は顧客の層を1つに絞ってマーケティングを行います
例えば、若者向け商品、年長者向け商品など、層を区切って商品戦略を打ち出すやり方です
ポジショニング戦略の設定
ターゲット市場を決定したら、次はポジショニング戦略を決めます。競合企業の商品やブランド、低価格商品など、どのポジションで勝負するのかを策定していきます
マーケティングの二面性から戦略を考えます。戦略を考えることも良いのですが、角度を変えた戦略もあります
競合他社には価格、性能、種類、色々ありますが、ここでタイトルにもなっている商品の視点を変えることで、マーケティングが有利になり売上た事例を見てましょう
刃の並んだハサミ
アーネスト株式会社は刃が並んだハサミを、刻み海苔用ハサミとして売り出したが、全く売れなかった。
ですが海苔の需要を切り離し、よく見ればシュレッダーのように使えることに気付き、シュレッダー用ハサミとして市場に出すと、売上げが上がった事例です
この様に視点を変えることで、同じものでも用途の目線が変わり、売れるようになります
レッドブルの事例
米国の炭酸飲料市場は利益率が高く、魅力的な市場です。炭酸水市場には、コカコーラとペプシコーラが市場を圧巻していましたが、その市場にレッドブルが参入してきました
当然、市場は2社が独占状態だったのですが、レッドブルは市場を絞り込み、バーやナイトクラブ用として売り出しました
価格もコカコーラの2倍で利益率も高い商品です。ではなぜレッドブルは成功したのか?
それは炭酸飲料水ではなく、エナジードリンクとして位置づけ、しかも陳列しやすいように細身の形にしたことです。同じ炭酸飲料でも視点を変えることで、成功するのです
ポストイット社の事例
強力接着剤を研究中、失敗し弱い接着剤が出来てしまったが、そのまま廃棄にせず、物事の視点を変え、応用することで商品化し、大成功しています
その商品とは付箋です。ノートに張り付けることにより、利便性ができ、ヒット商品につながりました
ダウケミカル社の事例
戦争時、銃器や弾丸などが濡れないように包装用として開発されていたものが、戦争が終わり、今度はチーズの包装として使われていました
ある従業員の妻がその包装紙でレタスを包み、時間がたっても新鮮さが保たれたということで、視点を変え、商用化しました
サラとアンが思いついたということで、商用化した名前がサランラップです
それは今でも愛される商品として世界で売り出されています
このように失敗しているようで、形や見方、視点を変えれば、商品をヒットにつなげることができます。物事は諦めず、何か要素はないのか?多角的に物事を考え、別角度から見ましょう
最後にちょっとした宣伝要素を紹介しておきます
マーケティングのプロモーション
どれだけ凄い主力商品ができても、売れなければ意味がありませんし、商品も宣伝していかなければなりません
買い手にどのような情報を発信するか?そこで宣伝にどのような工夫が必要なのか見ていきましょう
AIDMA
宣伝に必要な工夫を盛り込み、情報を伝えます。5つの要点を抑え効率よく宣伝を行っていきましょう
- Attention 注意を引く
- Interest 商品を追求し関心を引く
- Desire 満足できることを納得させる
- Memory 欲しい商品として記憶させる
- Action 行動を起こさせる
これらの要素を踏まえ、商品にあてはめ、売り出していきましょう
まとめ
市場を商品を売り出すには、必ずペルソナを考えることです。ペルソナを設定することでマーケティングの層を一点に集中できます
マーケティングのプロセスは市場細分化、ターゲット市場の設定、ポジショニング戦略の設定を必ず分析し、考えてみましょう
失敗は成功の基と言われるように、諦めず一度角度を変えて考えてみましょう