定額法と定率法の計算方法をわかりやすく解説

複雑な減価償却費の計算式や活用、定額法と定率法の解釈や税金対策、基礎からしっかり解説します。

このような悩みを持っている方は必読!

定額法と定率法の計算式が分かりにくい。

減価償却費がややこしくて基礎が理解できない。

減価償却費の税金対策もいまいち分かりにくい。

これらの悩みを全て解決できます。

定額法と定率法の計算から活用まですべてを解説

減価償却費とは、国に報告する疑似費用のことです。財務諸表には費用として計上しますが、実際、費用にお金をかけたわけではありません。

この疑似費用を上手く利用することで、税金対策や銀行などの融資もおりやすくすることが出来ます。

税金対策として活用する計算方法が定額法と定率法の2つあるのです。

それには減価償却費の基本や使い方など理解しておかないと活用はおろか、間違えば印象を悪くすることにもなりかねません。

正しい知識で税金対策とフリーキャッシュを活用しましょう。

ポイントは4つです。

  1. 定額法と定率法の計算方法
  2. 減価償却費の基礎
  3. 減価償却費を国に報告する理由
  4. 中古設備で減価償却費を活用

では具体的に解説していきます。

定額法と定率法の計算方法

減価償却の計算には2種類あります。
この計算式を知っておくと、表を作成する時にいくら償却して、いくら資金として使えるのか活用できるので覚えておくといいでしょう。

定額法とは

毎年一定額で償却していくことです。つまりローンのように毎年同じ費用を引いていくことです。
定額法は、ローンのように資金を回収できるので、別の費用に資金をまわせます。

定率法とは

毎年一定率で償却していくことです。つまり初め大きく引き、毎年費用を小さくして引いていきます。
イメージすると新商品のゲームであれば遊びまくって、飽きてくるとあまりやらなくなります。
定率法の資金回収も初め大きく資金を回収し、後のほうになると資金回収は少なくなるのです。

定額法の計算式

初めに耐用年数を調べ、その後定額償却率を見ます。計算式は

定額法=(購入価格)×(定額法償却率)

定額法償却率

耐用年数表から、耐用年数に対応した償却率で毎年減価償却費を計上すること

耐用年数

設備や建物、ソフトウェアなど他種様々な商品は何年で償却しなさいと、あらかじめ決められている年数の事です。

各自の耐用年数は国税庁に記載されていますので参考にしてください。
定額法償却率と定率法償却率は下の表を参考にしてください。12~13年までしか載せていませんが、それだけあれば通常は十分です。

例でいきます

耐用年数表
定額法計算式の解説

計算式では最後に0になりますが1円の価値として残存価額になります。

残存価額

償却年数が終わった後の価値のこと。
ですが使っている以上は価値があるので1円と定めている。(と言ってもこの時点ではほぼ価値が無い状態に等しい)

この定額法の計算式は簡単で、毎年同じ額を償却していけばいいだけです。
これが定額法の計算式になります。

定率法の計算式

初めに耐用年数を調べ、その後定率償却率を見ます。
改定償却率と償却保証率を理解しておく必要があります。

定率法は初めに大きく償却し徐々に小さくしていくやり方です。

償却保証率

改定償却率を使って計算するかどうかの目安ラインです。

計算する時は、定率法償却率を使って償却するのですが、償却保証率を下回るのであれば、それ以降は改定償却率を使って償却します。

なぜかと言うと単純に決められた耐用年数で割れなくなるからです。
先に償却保証率の数字を確認しておき、一番数字が近づいた時に、改定償却率を使って計算します。

改定償却率

償却保証率を下回る場合、この改定償却率のこの計算式を使って償却しなさいというものです。
改定償却率は同じ額を償却し、耐用年数の最後の年に残りの金額を一気に償却します。
(0円まで持っていけないので強引なようにもみえる)

色々な言葉が出てきているので、わかりにくいですね。
計算式を見ればわかりやすくなります。

業務用飲食機器を200%定率法の計算式で行きます。

定率法の表をみて償却する数字を確認できる

計算式に表の数字を当てはめます。

  • 業務用飲食機器を100万円で購入
  • 耐用年数は8年(業務用飲食機器は8年と決められている)
  • まず償却保証率0.07909×100万で79.090になります

この計算式では79.090直前まで定率償却率0.25%で償却し続けます。

  1. 1.000.000×0.25=250.000
    1.000.000-250.000=750.000円
  2. 750.000×0.25=187.500
    750.000-187.500=562.500円
  3. 562.500×0.25=140.625
    562.500-140.625=421.875円
  4. 421.875×0.25=105.468
    421.825-105.468=316.407円
  5. 316.407×0.25=79.101
    316.369-79.101=237.267円

ここまで計算式が定率償却率0.25%のデッドラインになります
注目は5年目の316.407×0.25=79.101が79.090に近くなっています

この先はこのやり方を続けても償却しきれないので、改定償却率0.334を使って償却します。

  1. 237.267×0.334=79.247
    237.267-79.247=158.020円
  2. 158.020-79.247=78.773円
  3. 78.773-78.772=1円

ここまでの計算式で分かるように最後は79.247以下の78.773なので引けません。
なので1が残るようにします

この1は残存価格としての価値を残すためです。今までの数式をグラフでみてみましょう。

こうやって見ると、とてもイメージしやすいですね。

定額法と定率法の簡単な見極め方

定額法の計算は割と簡単で、耐用年数表をみれば分かりやすいのですが、定率法の計算は分かりにくいです。
平成19年4月1日~平成24年3月31日取得や平成24年4月1日以後取得と分かれています。

また定率法には200%定率法や250%定率法などでてきて、わかりにくいです
定額法にしろ定率法にしろ、もっとわかりやすく単純に理解する方法を教えします

定額法の簡単な割り出し方

購入した設備品の耐用年数の数字が分かれば、特に計算は単純に割り出せます。

  • 100万器具を購入
  • 耐用年数9年とします
  • 1÷9=0.11となり
  • 0.11×100万で11万となり(表には0.112と略式で表示されている)
  • 年間11万償却
  • 11×9で100万になります
注目
必ず1÷耐用年数でやれば割り出せます

定率法の簡単な割り出し方

定率法はめんどくさく感じるのですが、コツをつかめばわりとわかりやすいものです。
改定償却率と償却保証率はさすがに表を見ないとわかりません

  • 平成19年4月1日~平成24年3月31日取得は250%定率法となる
  • 1÷9=0.11
  • 250%なので2.5をかける
  • 0.11×2.5=0.275
  • 耐用年数9年の250%定率償却は0.275となる
  • 平成24年4月1日以後取得は200%定率法となる
  • 1÷9=0.11
  • 200%なので2をかける
  • 0.11×2=0.222
  • 耐用年数9年の200%定率償却は0.222となる

上記の200%定率法で計算した理由は、現在の償却は200%定率法が適用となっているからです。
こうしてみてみればものすごく単純です。覚えておきましょう。

計算方法を学習したところで、根本的な減価償却費の基礎を学びます。

減価償却費の基礎

設備というのは時間や使用頻度とともに、質の低下や中古品となるので価値が下がってきます。価値が減少することを減価といいます

その減価を費用という形で差し引いていくことを償却と言います。これが減価償却費となるのです。

減価を費用で償却すると言われてもわからないと思うので、減価償却費をしっかり説明していきます

減価償却費の考え方

損益計算書の販売費及び一般管理費の中に減価償却費という項目があります。
減価償却費を費用として計上している以上、お金との取引関係を現しています。

仮の計算式でやってみましょう。
設備機器Aを480万で購入したとします。
設備機器Aを手に入れ、現金480万を渡します。

通常ならこれでおしまいですが、30万以上の設備費用を計上する場合、減価償却費として国に報告しないといけないのです。

では減価償却費の計算式。

1年間で120万の価値が落ちました。
1年後、480万の機器の価値は360万になりました。
480-120=360となります。

1年間設備稼働してくれたおかげで利益が出ましたが、使いすぎて痛んでしまいました。

ですが痛んでしまった価値がいくら下がったの?なんて我々に分かるでしょうか?

決して分かることはありません。
ではどのようにして120万という数字がわかったのかというと、各設備機器や車両など、他種様々の価値は1年間でいくら償却しなさい、とあらかじめ国から決められているのです。

設備機器Aは1年間で償却できる金額が120万と決まっていたのです。だから120万償却したのです。

その償却の計算式が定額法と定率法の2種類あるということなのです。
本題はここからです。

120万を減価償却費として計上している以上、お金の出ていく先をハッキリしないといけません。
では、120万はどこに行くのかと言うと、国に払うわけでもなく他人に渡すわけでもありません。

会社の資金にプラスに出来ます。
会社が1000万持っていたら、120プラスして1120万になります。

つまり国に報告しているのは、架空費用みたいなものです。
現金支出のない費用なのです。

自分たちの稼いだ最終利益に120万円付け足せます。
これが減価償却費です。

なぜ減価償却費を計上するのか?

減価償却費を計上しないと損や信用を失なったりと良い事がありません。
絶対すべき理由を説明していきます。

税金対策になる

減価償却費をうまく活用することで、税金を低く抑えることが出来ます。

では減価償却費の計算式。

例えば、会社の利益が1千万円、費用が600万、法人税30%
100万の減価償却を費用計上したとします

  • 収益1千万
  • 費用600万
  • 減価償却費100万
  • 1000-600-100=300万
  • 利益が300です
  • この300万に法人税がかかります
  • 300×30%=90
  • 300-90=210
  • 210+100=310

会社の最終資金310万が自由資金として使えるようになります

もし減価償却費をしなかったら

ここで減価償却費を計上できるのに
もし、しなかったら最終利益はどうなるのかを検討してみましょう

では減価償却費の計算式。

  • 収益1千万円
  • 費用600万
  • 減価償却費無し
  • 1000-600=400
  • 利益が400万です
  • この400万に法人税がかかります
  • 400×30%=120
  • 400-120=280

会社の純利益280万が自由資金として使えるようになります。

  • 減価償却費がある場合は自由資金310万です
  • 減価償却費が無い場合は自由資金280万です

この計算式では自由資金が30万多く使えます

今度は法人税を見てみましょう。

  • 減価償却費がある場合は300×30%=90の法人税
  • 減価償却費がない場合は400×30%=120の法人税

この計算式では差額30万の法人税を払っています。
実はこの30万、払わなくてもいいお金を払っているのです。

自由資金30万が法人税30万に変わり、30万失ったのです。
法人税は会社にとって全くメリットがありません。

つまり30万ドブに捨てたのと同じことです。
会社が損してしまうので、減価償却費は計上したほうがいいのです。

注意点
計算式を見てわかるように減価償却費を計上しないと、この様に意味の無い税金を払うことになる

印象が良くない

実を言うと減価償却費は計上しなくてもいいのです。
個人事業主は無理ですが、法人は選択できるのです

たまに減価償却費を計上すると赤字になるから、無理に計上しない税理士や会計士がいます。

これは間違いです。
確かに減価償却費を計上しないほうが利益を高く確定できます。

  • 減価償却費がある場合は営業利益300万
  • 減価償却費が無い場合は営業利益400万
  • 差額100万です

この計算式では営業利益が100万高いように見えますが、極論から言えば、赤字になっても絶対した方がいいのです。

なぜなら銀行からお金を借りるときに印象が良くないからです。

銀行側は、営業利益、もしくは経常利益プラス減価償却費で返済が可能かどうかを判断してきます。

会社側は利益が上がらないからといって、減価償却費を計上していない時がありますが、銀行からしてみれば、ちゃんと減価償却費は計上してほしいのです

減価償却費と言うのは、購入した物を遅らせて費用にしているので、現金の流れが把握しにくいのです。
しかも利益を上がってるように見せかけるために、意図的に操作しているのではないかと見られ、印象が良くありません。

銀行は、融資を検討する会社の決算書と一緒に法人税の申告書も目を通しています。
つまり銀行側には、全てバレバレでありお見通しなのです。

注意点
信用を失うのでちゃんと減価償却費は計上しましょう

一括償却ができない

まず1億円のビルを購入したとします。
これを一括費用で計上します。

毎年利益が500万の会社が費用1億円を計上すると、赤字が9500万になります。

計算式で言えば、1億-500万で9500万となります。

これでは利益に対して赤字の額が大きすぎてバランスが取れていません。
バランスをとるために減価償却費が必要なんです。

建物耐用年数50年なので1億÷50年で200万
利益500万に対して費用200万

この計算式なら利益に対してバランスが取れています。
物と言うのはたった1年で無くなるわけではありません。

何年もかけて利益を出していきます。それを一括計上してしまうと、赤字と黒字の差が物凄い乱高下状態になり会社経営の数字がおかしなことになります。

経営の合理性を保つ上で必要仕方ない事なのです。
それと費用収益対応の原則というのがあり、減価償却費は絶対しなければならないのです。

費用収益対応の原則

収益と費用を経済的因果関係は把握すべきである。
期間損益計算上の基本原則であり、企業活動を反映した捉え方をしなければならない。

つまり、利益の結果に対して発生した費用の関係性を結び付けることで、正当な利益を出しましょう、ということです。

減価償却費を国に報告する理由

減価償却費を国に報告するのは国内総生産に計上するためです。設備というのは人間ではないので給料を払っているわけではありません。

設備投資が利益に貢献していることは明確であるので、その設備の働きも生産の計算に含めようというわけです。

機械設備に給料を払うわけにはいかないので、減価償却費という形で国内総生産に計上します。そうすることで国の豊かさを表しているのです

減価償却費は国内総生産のの部分に入ります

国内総生産=GDP
GDPとは国力を表します

国内総生産に詳しい記事はこちらです

国内総生産の基礎を理解すれば所得のからくりが分かります

2019年7月8日

中古設備で減価償却費を活用

じつは中古の設備投資と言うのはかなりのメリットがあります。むしろ中古を購入し利益を上げるほうが実は得します。

銀行が融資する際の基準点の一つとして

営業利益or経常利益+減価償却費を合計すると何年で返済できるのか?

というのがあります

つまり、減価償却費をうまく利用している会社は、利益も上げていると見られます。これを利用するとこうなります

  • 中古の設備を購入するとコストを抑えられる
  • 中古品の減価償却費を計上することで節税対策ができる
  • 中古品の減価償却費を増やすことで自由資金が増える

中古設備と言うのは、中古なので修理の必要性も出てきます。
ですが修繕費にお金をかけるなら、売却しまた中古品を購入したほうが借りやすくなります。

上手く減価償却費を利用しましょう。

修繕費とは

建物や機械などを元の状態に戻すことです。
または買ったときの状態にするためにかかった経費です。修理やリフォームなどがそうです。

まとめ

減価償却費を計上しないと、損益や銀行に対して印象をわるくしてしまいます。このような理由から減価償却は絶対しないといけないのです。

  • 減価償却費とは価値が減少すること
  • 減価償却費の計算式には定額法と定率法がある
  • 定額法はローンのように毎年決まった減価償却費にできる
  • 定率法は初め多く償却し、毎年変動しながら減価償却費が小さくなる
  • 減価償却費は節税になる
  • 減価償却費で現金回収して資金活用する

最後に

経費と費用という言葉は、定義が曖昧でどっちも意味は一緒のように見られています
定義は個人的な解釈なので気にしなくてもいいです

費用とは会社が利益を出すために必要なお金

経費とは、会社が成長するために必要なお金

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ABOUTこの記事をかいた人

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