限界費用と限界収入を理解すれば利益最大化させる理屈がわかりやすくなる

限界費用や限界収入を正しく理解できれば、実社会でも応用することができ利益を上げることができます。食べ放題などはまさにこの理論が使われています。競争市場で利益を最大限にまで上げるにはどのようにすればよいか?そしてブラック企業になる要因は何があるのか?詳しく解説します。

限界費用と限界収入の原理に悩んでいませんか?

実は難しい数式を一切使わずグラフだけで学習することができます。

僕はITビジネススクールに通って経済学を勉強しました。

この記事では、限界費用と限界収入を理解して利益最大化させる理屈を解説します。

この記事からわかることは、限界費用が変動する理由と利益最大化させるためにはどうすればいいかわかるようになります。

ポイントは3つです。

  1. 限界費用と限界収入とは何か?
  2. 完全競争市場で利益最大化するためにはどうすればいいか?
  3. ブラック企業にならない為にはどのような判断が必要か?

では具体的に解説していきます。

限界や平均など用語の基礎解説

限界や平均費用など基礎から解説していきます。

ここでしっかり学習しないと、利益最大化の解説で理解できなくなります。かつ応用問題の受注判断もわからなくなります。

限界費用とは

限界費用(MC:marginal cost)生産量を1個増やした時の総費用の増加分

限界とは1個増やした時の収入や費用のこと

企業の個別注文に関しては限界の注文で考えます。限界費用で考えると、1個追加した時に利益があるかどうかを考えます。

商品を大量生産するには、設備を稼働するための初期投資が必要です。さらに人、原料、作業スペースなど確保し工場は出来上がります。

大量生産は商品1つ当たりのコストを下げることが出来ます。詳しくは規模の利益で解説します。

仮に一日50個が生産できるラインで1個100円とします。今後100個生産してくれと頼まれたら出来るでしょうか?

当然できません。なぜなら50個しか生産出来ないからです。

2倍の生産数なので、 人、原料、作業スペースなど2倍確保しないといけません。

当然、固定費も2倍かかります。 51個目を作ったとして同じ値段で売ることが出来ますか?

固定費が2倍かかっているので利益を取らないと赤字になります。そこで1個の商品単価に少し利益を上乗せします。

例えば1個100円から1個105円になります。なぜなら固定費が2倍かかっているからです。

つまり大量生産を拡大し続けると、固定費や変動費も拡大するため費用も同時にあがっていきます。

グラフはこのような理由で限界費用U字型になるのです。

グラフに関しては後で表を見ながら詳しく解説します。

超重要
大量生産すると、限界費用、平均費用、平均可変費用は変動し上がり始めます。

規模の利益

利益の規模とは、大量生産することにより限界費用の負担を下げることが出来ます。

レストランなどは利益の規模が適用されていて、1個1個の注文を1人が作っていては、コストパフォーマンスが非常に悪くなります。

料理1つの限界費用が高くなるので1個づつ増やせばコストが悪くなる。

仮に1人が100人分の料理を作れば1つの料理コストは下がります。100人に売れば1対100となるのでコストパフォーマンスが上昇します

一人分の人件費と100人分の収益となるので、一定までの大量生産は利益が出ます。食べ放題はこのようにして、コストを下げています

一定の大量生産までは、限界費用を下げることが出来るのです

限界費用の要点は2つ

  • 大量生産すれば限界費用は下がるが拡大すれば費用が上がっていく
  • 1つ1つの商品を作るとなると限界費用が上がり利益が出なくなる

限界収入とは

限界収入も考え方は同じです。大量生産するために規模を拡大し商品を売っても、赤字になるような値段では意味がありません。

事業拡大した資金を回収し、かつ利益を上乗せするためには限界費用以上に商品値段を上げないといけません。

上記の105円は限界費用以上に設定し利益になる値段です。105円以下になると赤字になるので105円以下には出来ません。

もっと利益を出すために値段を上げることは可能です。上げた場合は独占市場か完全競争市場で限界収入は変わってきます。

独占市場

独占市場の場合、市場に供給できるのは1社だけなので価格を調整することが出来ます。

そうした場合、供給量や値段を調整できるので需要も決まってしまうのです。

供給量を減らせば需要は少なくなり、かつ値段を上げることができます。

反対に供給量を増やせば需要は高くなり、価格は下げざるをえません。

大量生産すれば限界費用は下がるが、価格も下がる
供給量を減らせば価格は上がるが、限界費用も上がってしまう

独占市場の限界収入はとても難しく、独占市場ならではの損失も出てしまうのです。

詳しくはこちらの記事で

独占市場の需要曲線は価格差別でコントロールしている

2019年1月18日

完全競争市場

完全競争市場の場合は競合他社が多数いるので、供給や需要のバランスが保たれています。

つまり市場の値段は一定となるわけです。

市場の値段以上に価格を釣り上げると消費者は買わず別の所で買えばいい、となります。

なぜなら供給者は他にもいるからです。競争市場は需要も多いので価格設定をする必要はありません。

競争市場の場合、限界費用を抑えれば一定の価格で買い取ってくれるので限界収入は高くなり利益を出せます。

完全競争市場はなぜバランスが保たれ一定になるのか?詳しい記事はこちらです。

需要供給曲線の供給原理やシフト要因はパターンが決まっているので簡単

2019年1月7日

平均収入とは

平均収入とは、1個当たりの平均の収入です(AR: average revenue)

1万個生産して100万円で売れた場合は、100万÷1万=100円 一個当たりの平均収入は100円となります。

可変費用とは

可変費用( Variable Cost:VC)売上とともに上がる費用の事です。

商品の売上が上がるともっと売ろうとするので、商品を大量生産するために、人、原料が一定にならず増やすので変動します。

固定費用とは

固定費用(Fixed Cost:FC)

固定費用とは、可変費用を含めない費用の事で、売上関係なしにかかる費用の事です。

家計で言えば、家賃、駐車場、食費、光熱費など生活するだけで必要になる費用です。

一定の割合で必要最低限の固定された費用なので固定費用となるのです。

平均費用とは

平均費用(AC:average cost)=総費用÷生産量で計算できます。

100台を100万で売ったので1億円です。例えば101台目から110万かかりました。 1億+110万÷101とした場合、1億2970円となります。これが平均費用です。

他には100万÷2万個=50円、100万÷3万個=33円と生産量を増やせば平均費用は下がっていきますが、設備投資で更に生産量を拡大すると総費用(100万)が上がるので平均費用は上がっていきます。

平均費用の事に関しては、後で表を見ながら詳しく解説します。

平均可変費用とは

平均可変費用(AVC:average variable cost)=可変費用÷生産量

平均可変費用に関しては、後で表を見ながら詳しく解説します。

平均固定費用とは

平均固定費用(AFC:average fixed cost)=固定費用÷生産量で割り出せます。

経済と会計から見る限界の違い

経済学でいう限界とは、総収益全体の中の1つの費用や収入を指します。限界費用や限界収入などがそうです。

さらに微分など用いて数式で表します。

会計学でいう限界とは、総収益から総費用を引いた限界利益(総利益)を指します。

企業の利益を微分を使って数式で計算しません。単純に利益から費用を引いた純利益や純資産などを計算するだけです。

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表とグラフを使って解説

ここでグラフや表の読み方を理解しておかないと利益最大化させる理屈がわからなくなります。

限界費用と平均可変費用1の表とグラフ

限界費用が変わらないパターンです(限界費用が一定)

限界費用と平均可変費用1

計算は、生産量1の限界費用10、可変費用10、平均可変費用10となります
生産量の2から計算が変わります

可変費用の10と生産量2の限界費用10を足すと可変費用は20となります

可変費用20を生産量の2で割ると平均可変費用10となるのです。基本的にこの順番で計算すれば平均可変費用は割出せます

限界費用が一定

平均可変費用は10のままなので、一定の一直線となります

限界費用と平均可変費用2の表とグラフ

限界費用が段々増えるパターンです(限界費用逓増)

限界費用と平均可変費用2


計算は、生産量1の限界費用10、可変費用10、平均可変費用10となります
生産量の2から計算が変わります

可変費用10と限界費用20を足すと可変費用は30となります。 可変費用30を生産量2で割ると平均可変費用15となるのです

平均可変費用20も同じ順番でやれば割り出せます

限界費用逓増グラフ

限界費用MCが先に上に上がり平均可変費用AVCは遅れて上がってきます。かならず遅れて上がってくることが重要となります。

限界費用と平均可変費用3の表とグラフ

限界費用が段々減るパターンです(限界費用逓減)

限界費用と平均可変費用3

計算は、生産量1の限界費用50、可変費用50、平均可変費用50となります
生産量の2から計算が変わります

可変費用の50と限界費用40を足すと可変費用は90となります。 可変費用90を生産量2で割ると平均可変費用45となるのです

平均可変費用40も同じ順番でやれば割り出せます

限界費用逓減グラフ

限界費用MCが先に下に下がり平均可変費用AVCは遅れて下がってきます。

限界費用と平均可変費用4の表とグラフ

限界費用が上下するパターンです(限界費用U字型)これが一番重要。

限界費用と平均可変費用4

平均可変費用の割り出し方は同じなのですが、途中から限界費用が上がるパターンです。

生産量4から限界費用が60、70、90、120と上がっています

限界費用U字型

限界費用は4つ目を境に上がり始め、平均可変費用は後から遅れて上がり始めるので6つ目で交点ができます。

つまり6つ目で生産を止めないといけないので操業を停止することになります。

この理屈やグラフをよく覚えておいてください。企業の利益最大化の時にまた出てきます。

これに平均費用を付け足しグラフを使って簡単に解説します。

平均費用のグラフ

平均費用はある一定までの生産であれば下がっていきます。

平均費用のグラフ

平均費用は、一定を越えて生産量を増やせば平均費用は上がります。

限界費用と平均費用と平均可変費用を全部足す

この3つを全てグラフで表すと2つの点が出来ます。

限界費用と平均費用と平均可変費用のグラフ

見てわかるようにACとAVCが近くなっています。これが費用逓減産業の理論として成り立つのです。

近づくことによってコスト負担がさらに小さくなり、大量生産が出来るようになります。この理論を用いているのがエネルギー事業です。

費用逓減産業やエネルギー産業に関する記事はこちらです。

二部料金制は政府の赤字を国民が補うことで成り立っている

2019年1月22日

そしてもう一つ大事なことは、この2点が損益分岐点と操業停止点となるのです

損益分岐点と操業停止点に関する記事はこちらです

損益分岐点と操業停止点を理解すれば赤字経営続行の理由がわかる

2019年1月11日
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利潤最大化となる理屈を解説

大量生産すれば限界費用は下がるが、供給が多くなるので値段が下がってしまい限界収入が低くなるので利益が減る。

小規模生産すれば限界費用は上がり、供給が少なくなり値段が上がるので限界収入が高くなるがコストは高くなる。

では利潤最大化するためにはどのようにすればよいのか?

利潤最大化するには限界費用や限界収入で考えるべきだ、というのが限界分析の定義です。

限界収入-限界費用=限界利潤。このような考え方を限界分析と言い、限界の利益を限界利潤(Mπ:エムパイ)といいます

企業は利潤最大化で考えます。

利潤最大化の表

表にある限界収入を間違えたので修正しました。

これまでやってきた限界費用と平均可変費用を応用し、企業の利益に当てはめます。

利益最大化の表

黄色の部分が生産できる部分です。8個になると利潤は0になります。上のグラフと見比べてみてください

なので7個で生産を止めるタイミングとなります。

利潤最大化の表2

利益最大化の表2

9個まで生産してしまうと限界利潤が-50の赤字になります

利潤を最大化するには

通常経済学というのはU字型のケースを考えます。単純化のため限界収入MRは常に一定の価格で市場は買い取ってくれると仮定します。市場価格160円と考えても同じです。

競争市場にあてはめて考えてみます。

限界分析のグラフ2

この場合MRが160円なので線は一直線です。図を見ると8個の時点で利益ゼロになります。

利潤最大化する時

限界分析デッドライン

1~8個までの利益が利潤最大化となります。(下の半円の面積部分)

最低でも8個で止めないと危険です。8個を過ぎると赤字が拡大し経営が悪化します

ここでもう一つ重要なポイントがあります。それは限界費用=限界収入=価格になるということです。

なぜ限界費用=限界収入=価格になるのか

この理屈を疑問に思う人が多いです。

例えば限界収入100-限界費用30=利益70にすれば利潤は増えます。利益を出すためには、競争市場の価格が100であれば、限界収入も100になります。わざと値段を下げて売る必要はないので、価格=限界収入となります。

なぜ価格と限界費用が同じになるのかわからない。では図を使って解説します。

限界分析デッドライン

図を見ると利益最大化する時は4個です。でも止めるわけにはいきません。

なぜなら5個6個7個と売れば、少なからず利益になるからです。

8個の時、価格160のラインと限界費用が同じになっているので生産を止めます。

この時に、限界費用=限界収入=価格 となるのです。

もし限界収入100-限界費用30=利益70 このような利潤が出るなら皆やっています。

生産数を増やせば、限界費用が上がるので利潤が0になるまで売り続けるのです。

利潤を最大化する考え方

限界収入MR>限界費用MCであれば
限界利潤はMπはプラスとなり、利潤が増加するので生産続行

限界収入MR=限界費用MCであれば
限界利潤はMπは0となり、利潤は変わらないので生産しなくてもよい

限界収入MR<限界費用MCであれば
限界利潤はMπはマイナスとなり、利潤が減少するので生産中止

利潤最大化の問題点

限界収入に関しては追加注文の値段を見れば分かるので問題はありません。

厄介なのが限界費用です。仮に1つ追加しても全生産費用がどれくらい増えたのか、なんてわかるはずがありません。

現実的に考えると会社の全生産費用を100として、ネジ1つ追加しても100.1なのか、100.0001なのか100.001かなんて割り出すのは不可能です。

企業は限界費用を割出せないので、代わりに可変費用÷生産量で平均可変費用を割出して受注判断している

政府も国の予算費用を割出す時は、平均可変費用で予算を決めています

企業は平均可変費用で受注するので採算が合わなくなり、ブラック企業になっていくのです。

ではどのような判断をすればよいのか?限界費用や限界収入を理解できても、実社会で使えなければ意味がありません。

そこで企業の間違った判断を例に学習していきます。

正しい受注を判断するために

この案件は受注すべきか

架空の会社をモデルに解説していきます。

今回モデルになっていいただいたのは、馬をこよなく愛するロイホさんです

ウマーズ電子会社はパソコン電子部品の大手のメーカーである。近年では、そこそこの生産量であるものの、下落が止まらない業績は相変わらず変わらないままであった。

そんな中、営業部より知らせを受け国内からの受注案件があると報告を受けた。

  • 1つ目はアマソンのスマホ部品。受注個数は800個の価格1100円
  • 2つ目はグーゴルのスマホ部品。受注個数は1000個の価格990円
ラフㇿ営業部長
ウマーズ会社に大手の受注案件が来た。2つあるのだが、両方受けるのは厳しい。どっちか1つにしたい
ろいほ工場部長
今受けているだけでも、生産ラインギリギリなのに、人手不足でこの上、更に受注を受けるのは無理だ
ラフㇿ営業部長
これはウマーズにとってはチャンスだ‼残業やってでも利益を確保すべきだ
ろいほ工場部長
わかってないな!残業で生産量を増やしても、社員は疲労し、毎日続くとミスや社員の過労で休む人間が出てくる。今受けている案件自体が危なくなる
ラフㇿ営業部長
過去の生産統計から1個追加した時の平均費用はいくらになる?
ろいほ工場部長
1個の生産を会社全体の利益から割出すのは不可能だ。過去の統計から1万個を大まかに割り出しても、1個の生産にかかる費用は
  • 平均固定費が500
  • 平均可変費用が1000
  • 合わせて平均費用が1500になる
ラフㇿ営業部長
1個当たりにかかる平均可変費用が1000なら、アマソンの1100円から1000円を引いても100円の利益が出る。利益の規模で考えれば受注すべきだ

グーゴルの990円では、どう考えても採算は取れないので無理だ

結論からいいますと、実は1個の生産で受注を考えるのは非常に危険です。このような間違った考えで営業をしている企業は多いのです

工場、IT産業、金融、教育関連が特に注意です

このようにいくら検討しても答えが出ない場合は、限界収入と完全競争市場から見てみるのがいいでしょう。

完全競争市場の中の価格

需要者と供給者は常にプライステーカーです。プライステーカーとは市場で決まった価格設定を受け入れるだけの存在ということになります。

見方を変えれば、どれだけ生産しても常に一定の価格で買い取ってくれます

市場では価格は常に一定の値段

仮に市場価格が100円だとすると、価格は一定なので限界収入も平均収入も市場価格では100円ということになります

限界収入=平均収入=市場価格

完全市場価格で考えよう

現実の市場価格は一定ではありません。場所や顧客、量などによって一定になりません

市場価格が不安定だと限界費用と平均収入が割出せません。市場の業者は膨大な数なので市場にはこの2つしかない、という条件で進めていきます

  • アマソン 800個:1100円
  • グーゴル 1000個:990円

アマソンに供給できる最初の量は800個 限界収入1100円  801個目から限界収入は1個につき1100円得ることになります

グーゴルに供給できる最初の量は1000個 限界収入990円 1001個目から限界収入は1個につき990円得ることになります

ここで平均収入を割出してみましょう

(800個×1100)+(1000個×990)=1,870,000円となり

平均収入は1,870,000÷1,800個=1,039円

平均収入は1039円になり限界収入の1100と990とは一致しなくなります

競争市場で考えても1039円が市場価格の平均になるので、990を受注すると損することになります。

ウマーズの会社でも、グーゴルの990円では採算は取れないので、受注は出来ないと判断しています。

1100円だと平均価格よりも上なので、アマソンを受注したほうが良いのです。

あとはウマーズの会社で受注すべきかどうかになります。コスト負担が問題の接点になっているので、限界分析を見ていこう。

ウマーズの限界分析

今度は今まで出てきた、限界費用、平均可変費用、可変費用を使って限界分析をしてみましょう

もし実際に生産してみた時の限界分析の表です

工場の限界分析の表

表を見てわかるように、利益が最大化する生産量は6000個になります。限界費用も一番780と少ないです。

ですが6000個を越えたあたりから限界費用は上がっており、10000個の時には1200になっています。

そして平均可変費用は1000になっています。

会話をもう一度振り返ってみよう

ろいほ工場部長
1個の生産を会社全体の利益から割出すのは不可能だ。過去の統計から1万個を大まかに割り出しても
  • 平均固定費が500
  • 平均可変費用が1000
  • 合わせて平均費用が1500になる
ラフㇿ営業部長
平均可変費用が1000なら、1100円から1000円を引いても100円の利益が出る。利益の規模で考えれば受注すべきだ

確かにろいほ工場部長の言う通り、平均可変費用は1000になっています

上の表は実際に生産してみた時の表であり、会話をしているときでは、まだ生産していません

平均可変費用も過去の統計から割出した数字です。1000を超えているならやるべきというのは大きな間違いになります

なぜ間違いになるのか検証してみましょう

平均値で判断してはいけない

先ほど、ろいほ部長が言ったように1個の限界費用を会社全体の利益で割出すのは無理です。他種様々にある事業の中から、部品たった1個だけ割出すのは容易な事ではないことは、理解していただけると思います

なので企業も過去の統計から平均費用を割出し、生産体制が整うか検討します。

ですが、あくまでも仮の話であり利益が絶対確保できるわけではありません。

その理由としては

  • コスト削減が出来るか実際やってみないと分からない
  • 技術面での負担は数字で表せない
  • 労働者の精神負担は計算できない
  • 製造過程の不良品もどれぐらい出るかわからない
  • そもそも大量生産が可能かわからない

会社はこのようなコスト負担を考えず利益拡大だけを考え、受注判断するので会社は思わぬ業績悪化を強いられるようになる。しかも動き出すと簡単に生産を止められない。

平均値で受注判断は絶対危険

重要
ほとんどの企業が平均を割出し、受注しているので危険

このような判断を繰り返すとブラック企業になってしまうのです

仮に判断を誤り、実行していたとしたらどうなるのか見てみよう

もし判断を誤ったら

もし実際に生産していたら、の仮定の表です

工場の限界分析の表2

営業部長の言う、1万個生産の平均可変費用は1000です。この数字をあてにして、生産すれば限界費用は1200となり受注価格1100を超え、赤字になります

1個の生産コストが

限界収入1100-限界費用1200=限界利潤-100となり打撃を受けます

更に儲かると勘違いし生産を増やすと、限界費用は1200⇒1500⇒2000とドンドン赤字は拡大します。

従業員からすれば残酷な話です。自分たちは利益確保しようと残業しているのに、じつは事業を悪化させているなんて気付きもしません。

しかもたちが悪いのは、社員も経営者も営業部長も誰も気付かないことです。

これは実際に生産してみたらの話であり、仮なので現実に2馬が話してる段階では分からない。

では、どのような判断をすればよいのか?実はちょっとした工夫をすることで判断出来るようになります。

判断には疑似費用を盛り込む

正しい判断をするために、平均可変費用+αの分析で考える。では会話に戻りましょう

ろいほ工場部長
すでに工場は生産ラインがギリギリであり、新規注文を受けるには
  • 残業手当200円をアップする
  • 残業が継続すると、疲労などにより、不良率が上昇するので、コスト負担100円追加
  • 残業で出来る生産ラインは1000個が限界
ラフㇿ営業部長
つまり、限界費用は
平均可変費用が1000+300となり=1300となるから
ラフㇿ営業部長
1100-1300=-200となるので、受注すべきではないということだな
ろいほ工場部長
そのとおりだ。受注する時には平均可変費用+疑似費用を想定しコスト負担を考えたほうが良いのだ
経済学を勉強していた私の知識が生きた
ろいほ工場部長
会社は社員がいての組織だ。その労働者を利益拡大のために犠牲にできない。無理な受注は受けるべきではない

判断には疑似費用を盛り込んで考えること

この疑似費用は工場に限った事ではないので、色々な業種で取り入れて考えてみると良い

まとめ

限界とは1単位の事:1つ追加した単位を限界費用や限界収入といいます。

限界費用と限界収入が境目:企業は収入より費用が上回るようであれば生産中止の目安となる。

利益最大化する時:利益が最大化する時は、限界費用が一番低い時が利益最大化となります。