マクロ経済学の消費関数を3大仮説を使って矛盾なく説明できます

マクロ経済学の消費関数とは、短期と長期で考えた消費の数式です。これを3大仮説を使って矛盾なく説明します

マクロ経済学の消費関数を3大仮説を使って矛盾なく説明できます

記事の内容
ケインズ型消費関数とクズネッツ型消費を3大仮説を使って解説します

相対所得仮説、恒常所得仮説、ライフサイクル仮説の詳細やグラフの見方

歯止め効果、デモンストレーション効果、ライフサイクル仮説の数式や数式を使った問題文の計算

これらをわかりやすく解説します

消費関数論争

現実経済の消費や所得を数式に当てはめて計算することを消費関数といいます。数式に違いがあり論争となりました

  • ケインズ型消費関数
  • クズネッツ型消費関数

この2つの数式を説明します

ケインズ型消費関数とは

消費関数とは、何かと何かの数の関係です

ケインズは、消費量というのは所得に大きく関係するんじゃないか、と定義しています

これは考えれば当たり前の話で、お金をたくさん持ってる方は、消費も増えます。だっていっぱいモノ買えますから

このような考え方を一国経済に当てはめて考えると、国民総所得が増えれば消費量も増えるでしょ、という定義のうえ数式を解説します

ケインズ型数式

消費量Cと国民所得(GDP:Y)との間に関係があると考えました

C=abY(a>0, 0<b<1)はケインズ型消費関数となります

基礎消費=a
限界消費性向=b
この2つは、あとで説明します

a,bは定数です。定数とは、変化しないもともと決まっている数字です
a=100
b=0.7

ケインズ型消費関数はC=100+0.7Yとなります

難しく考えずに、消費というのは、所得Yに数字を果てはめてプラス100をすれば割出せる、と考えてください

ケインズ型消費関数

Yが0の時 C=100+0.7×0=100がA点
Yが100の時 C=100+0.7×100=170がB点
Yが200の時 C=100+0.7×200=240がC点
Yが300の時 C=300+0.7×300=310がD点 となります

つまり一直線になります

数式を単純化する

図では横に100進んだ時に、縦は70なのですが、もっと単純化すると

C=100+0.7Yのグラフの傾きを、経済学では横軸に1進んだ時に、縦軸がどれだけ変化するかと定義します

基礎消費は、所得が横に増えた消費量のことをいいます
限界消費性向は、所得1増えた時に縦の増えた消費の増加量をいいます

横に1の時は、縦に0.7上がる。これだけ覚えておけば大丈夫です

このケインズ型消費関数に、それ本当なのか、と異論を唱えた人がクズネッツです

クズネッツ型消費関数

クズネッツは、ケインズ型消費関数が正しいかどうかを検証するために、米国の消費と所得の関係データー(1869~1943年)を調べます

この調査から次の事が明らかになってきました

驚いたことにケインズ型の消費関数にならなかったのです。数式は異なるものでした

C=0.9Yとなりaとbが抜けたシンプルな数式になったのです

あんまり変わらんじゃないか、と言われればそうなのですが、クズネッツ型はある特徴がありました

クズネッツ型は長期の視点だと当てはまるということです

では、ケインズ型消費関数は間違っていたのか、と言えば、実は間違ってなくてケインズ型は短期視点でみれば当てはまっているのです

調べた結果2人の消費関数に間違いはなく、お互いが事実であり、否定も出来ないので

C=0.9Y クズネッツ型長期消費関数
C=a+bY ケインズ型短期消費関数

と定義したのです

短期と長期の消費関数のグラフ

短期と長期の消費関数のグラフ

クズネッツ型消費関数は、Yが0の時は消費0になるのでスタートは0となります。傾きもやや45度に近いような感じです

ケインズ型消費関数は、Yが0の時でも、縦の基礎消費があるのでスタートは0じゃなくて少し上に位置します。傾きはちょっと傾いた右上になります

では長期と短期では、なぜこの消費関数が異なるのか?と論点について論争が巻き起こりました

これをマクロ消費論争といいます

マクロ消費論争

マクロ消費論争とは現実経済を2つの消費関数に当てはめた時に、矛盾なく説明できる3大仮説のことをいい、特にこの3つが一番説得力があると言われています

相対所得仮説
恒常所得仮説
ライフサイクル仮説

これら3つの理論を説明していきます

相対所得仮説

ケインズ型短期消費関数の考え方は、今稼いでいる所得によってのみ決まると定義しています。現在の所得なので絶対所得とも言います

ですがデューゼンベリーは、そうじゃなくて現在の所得に加えて、過去の所得や相手の消費も影響受ける、と考えた理論が相対所得仮説です

相対所得仮説には、歯止め効果とデモンストレーション効果の2つあり、短期と長期の消費関数を説明しています

歯止め効果

縦軸が消費量C、横軸が国民所得Yになります

長期においては、クズネッツ型のC=0.9Yが成立すると仮定します。原点からの角度は1以下なので下にちょっと下がっている感じです。もしC=1Yなら45度の角度になります

短期においては、ケインズ型のC=a+bYが成立すると仮定します。基礎消費の0.7の分縦軸に0.7上に上がってスタートとなり、長期型よりも緩やかになります

歯止め効果

A点が今の状態とします。仮に所得がY0からY1に減りました

長期視点で見ると、Bの点まで減少し、短期視点だと歯止め効果がかかってC点で止まります

贅沢していた人が急に明日から質素な暮らしに変更できるかと言えば、おそらく無理だと思います。絶対ではないですが 人の消費というのは習慣になっているからです。これを歯止め効果といいます

あとは契約なども入ります。契約している期間というのは急に変更できないのでしばらくは払い続けます

つまり過去からの習慣というのは、急には変えられないということで、短期では歯止め効果となります

これの反対に長期で長い間お金が無くなると、質素な生活をせざるを得ないとなります。消費もそれなりに減るので長期視点では歯止め効果が無くなり、B点まで下がります

デモンストレーション効果

これは、はっきり言って歯止め効果と似ています。デモンストレーション効果というのは、相手の消費が自分に与える影響を表したものです

仮にY0からY1に自分の所得が減ったとします。でも相手の所得が減ったかどうかはわからないわけです

そうなると見た目など、自分が相手からどう見られたいか気になるので、いつものように消費をします。自分の所得が減ったからといって急に質素な暮らしをするのも嫌だな~という感じです

つまり相手の消費に合わせて、こちらも消費する感覚です。これが短期視点となるのでC点となります

長期視点では、皆の所得が減ったと分かれば、みんな一緒じゃないかとなり、減ったのは自分だけじゃない、と安心して消費を減らすとのでB点まで下がります

ハッキリ言って強引な屁理屈にもみえますが、そういうことなんだなっていう感じで覚えていてください

以上の2つが相対所得仮説の説明です

恒常所得仮説

消費量は現在の所得ではなくて長期平均所得で決まる、とフリードマンが考えた仮説が恒常所得仮説です

これは短期で所得が減っても、長期な視点で考えれば消費はあまり変わらないですよ、ということです

ですが、長期的に所得が減れば消費も減りますよ、となります。逆に所得が増えれば消費は増えますよ、と言えます

恒常所得仮説

恒常所得仮説というのは長期視点での考え方です。短期で所得が減れば消費もわずかとなりC点となります

長期で所得が減ると、消費も大きく減るのでB点となるのです

ですが逆に所得がY0からY2になると所得が増えるので、A点の起点よりも短期だとD点、長期だとE点まで消費が増えるということになります

ライフサイクル仮説

人は一生涯の人生を考えて1年間の消費を決めるので、所得は消費だけじゃなく資産にも影響を受けてしまう、という考えをアンドウ、モジリアーニ、ブランバーグが提唱しました

これをライフサイクル仮説といいます

ライフサイクル仮説は、生まれてから生涯を終えるまでの総所得と資産を足し合わせた合計から、1年間の消費を割出そうという計算です

現実世界を単純化する

さすがに自分がいつ死ぬかなんてわかりませんし、わかったら逆に怖いですわ。複雑なので、仮にいつ死ぬかを決めて算出します

  • 死亡時までの年数をT年
  • 現在から退職までの年数を t 年
  • 年間所得をY円
  • 初期保有資産をW(wealth)円
  • 年間消費をC円
  • 利子率は0円とし
  • 退職及び死亡までの不確実性は無い
  • 年間所得Y円は退職まで一定、退職後はゼロ
  • 年間消費C円も死亡時まで一定
  • 遺産は残さないと仮定

単純化するには、これだけの決まり事をしないといけないので、めんどくさいですね。この条件を基に計算します

ライフサイクル仮説の消費関数

CT=W+tYとなるのですが、これをさらに細かく分解すると

となります。消費は現在の所得Yだけでなく、資産Wの影響も受ける、と考えます

計算の具体例

現在から死亡までの年数を50年
現在から退職までの年数を30年
年間所得を500万
初期保有資産を1000万
年間消費をC万円
とします

1:一生涯の消費額=C×50
2:一生涯で使えるお金=生涯所得+資産=30×500+1000となります

1と2が等しくなるように計算します

C×50=30×500+1000となります。この計算にはルールがありイコール(=)より反対位置に移動すると、逆になります

×は÷となり、+は-となります。これを踏まえC×50の×50を=より右に移動します

C=(30×500+1000)÷50(移動したので×から÷に変わっている)
C=16000÷50
C=320万円となります

このことから1年間の所得500万円から消費できるお金は320万円となります

簡単なのでやってみてください

短期と長期の消費関数とライフサイクル仮説の関数との関係性

短期では、資産Wは1年間所得が増えたからといって急に増えたりしません。資産とは過去の蓄積です。資産は一定と考えます

Wは動かないと考えるので定数とし、死ぬまでの年数Tや、退職までの年数tの2つとも動かないと考えるので定数となります

消費関数1

ケインズ型消費関数になると証明できる

長期で所得が増え続ければ、所得が増えるので、資産もついでに増えると考えます

長期の所得Yは資産と比例すると考えるので、Yが増えるとWも増えるのでW=fYとなります

fとは定数の事なので、数字は何でも当てはめていいです0.1でも2でも大丈夫です

(0<f)なので、当てはめる数字は0以上が条件です

消費関数2

クズネッツ型消費関数になると証明できる

ライフサイクル仮説のグラフ

ライフサイクル仮説のグラフ

長期間Y0からY1に減ると、資産も減るので消費はB点まで落ち込む。短期間では資産は減らないので消費はC点までしか落ち込まない

要点としては。短期での資産は一定だが、長期では所得に連動するというのがポイントになります

3大仮説の評価

3大仮説ともに長期の消費関数、短期の消費関数を矛盾なく説明しています

相対所得仮説は、過去の消費と他人の消費
恒常所得仮説は、長期平均所得
ライフサイクル仮説は、資産という概念を導入しいる

図を見てわかったと思うが、消費の落ち込み方が全て同じなのです

短期と長期の理由を無理やりこじつけのように論じて納得させているだけで、絶対的な根拠がありません

確かにその仮説なら納得いく。この程度なのです

一応マクロ経済学としての消費関数は3大仮説が確立しているので説明しましたが、僕的な見方はかなり微妙な仮説です

まとめ

消費関数は2つあり
ケインズ型消費関数は短期
クズネッツ型消費関数は長期である

短期と長期では消費関数のグラフは異なる

3大仮説には、相対所得仮説、恒常所得仮説、ライフサイクル仮説がある

ライフサイクル仮説の関数を通して、ケインズ型消費関数とクズネッツ型消費関数はを説明できる

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