ケインズ経済学はデフレ脱却するための合理的な理論である

今のデフレを脱却する方法が、ケインズの経済学で説明できます。ケインズが考えた有効需要や、不況時の対策を説明します

ケインズ経済学はデフレ脱却するための合理的な理論である

記事の内容
古典派経済学、有効需要の原理、セイの法則、流動性選好説、有効需要管理政策、ケインズ経済学を使ったデフレ脱却方法、これらを解説します

ケインズ以前の古典派経済学

ケインズ以前と言えば、アダムスミスの国富論が有名ですが、古典派は価格調整機能を重視したマクロ経済学も研究していました

価格調整機能とは、サービス割引や現金割引など、何かの価値を消費者に与えることで価格を調整することです

古典派の考えは、企業や民間などのミクロ経済を主体とした経済学を分析し、一国経済を表すマクロ経済学はあまり手を付けていませんでした

古典派が主張する経済学の定義は2つあります

  1. 国民は合理的に行動する
  2. 価格や賃金率は伸縮的である

古典派が主張する経済学は、合理的な行動が絶対になっています

例えば子供を産むとお金がかかるので、合理的じゃないから子供は作らない。という定義が前提になっているのです

古典派の主張

価格は供給が増えれば、需要もそれと同じように増え、結果、売れ残りやモノ不足は解消されるという定義です

つまり先ほど出てきた価格調整機能の原理で、物の値段が調整されることにより、問題は起こらないということです

市場は価格のメカニズムによって経済は効率的に機能するというものです

価格のメカニズムに関する記事はこちらです

市場経済と計画経済の違いを理解し企業の解決策を考える

2019年1月7日

セイの法則

セイの法則というのは、供給は自ら需要を創り出すというものです

例えば、Aさんが100円で商品をBさんに売りました
Aさんは100円の利益を得て、70円のお菓子を買いました
残りの30円はCさんにお金を貸してあげました
貸してもらったCさんは30円でお菓子を買いました

100円のお金は必ず需要に回り、形はどうであれ100円は必ず消費されるということです

古典派の貨幣論

貨幣市場では物価が決まる

例えば貨幣供給量を10%増やせば、その分財やサービスの価格も10%上昇するというものです

貨幣供給量を増やせば、同じように価格や賃金率が上昇するので結果、何も変わらないということになります

これら古典派の経済学に異論を唱え、真っ向から反撃したのがケインズなのです

ジョン・メイナード・ケインズ

ジョン・メイナード・ケインズ(1883~1946)
ケンブリッジ市ハーヴェイロードに生まれる
父は大学教授、母は市長。ケンブリッジ大学卒業(数学専攻)
1906年インド省→1908年 ケンブリッジ大学で研究員として貨幣論を研究→1915年大蔵省→1941年イングランド銀行理事を務めています。1946年没。

ケインズの生きた時代は第1次世界大戦後のイギリス。当時世界の覇権はアメリカでした(今もそうです)

ですがアメリカは世界大恐慌に陥り、民主主義政策を行っていた、アメリカ、イギリス、フランス、そして日本も大不況に陥り、アメリカの失業率は20%以上でした

当時の古典派の理論では、非自発的失業者が無くなるまで、労働賃金を下げて雇用すれば速やかに非自発的失業者は解消される

基本的に国は製造業で成り立っているため、物さえ生産すれば解決すると思っていた。だが需要は拡大せず、逆に失業者は増えていったのです

非自発的失業者とは、不況が原因で働きたいのに働くことが出来ない状態の人達の事です

ケインズはこの状況に異論を唱えます。もし古典派の考えが正しいのであれば、仕事を与えれば失業者は解消されるはず。なのにされていない

当時の正統派経済学であった古典派の理論では、世界大恐慌の失業率を説明をすることが出来なかった

ケインズ経済学の課題

大不況の中で取り組んだ課題は2つ

  1. 働きたい労働者がいるのに、なぜ失業者が溢れてしまったのか
  2. 非自発的失業者を解消するためにはどうすればよいのか

この2つの問題を解決するには、有効需要の原理を理解しなければいけません

有効需要の原理とは

有効需要とは、貨幣に裏付けされた需要の事です

分かりやすく言うと、ただ単にモノが欲しいな〜ぐらいの願望ではなく、モノやサービスを確実に買えるだけの貨幣を持ち合わせている人たちの事です

もっとわかりやすく言うと、モノやサービスを確実に買える人たちが増えると、それだけ供給しないといけないので生産を拡大させます。つまり国内総生産(GDP)が増えます

生産を拡大させるためには雇用者を増やさないといけないので、結果、雇用者が増えることになるのです

この一連のプロセスを有効需要の原理と言います

有効需要=消費+投資+政府支出と考えます

消費の大きさによって国民所得(GDP)の大きさや雇用量が決まるのです

有効需要の原理は需要を重視した考えです。古典派のセイの法則にある供給を重視した理論とは真反対になります

それでは有効需要の原理を理解したところで、この問題の説明に移ります

  1. 働きたい労働者がいるのに、なぜ失業者が溢れてしまったのか
  2. 非自発的失業者を解消するためにはどうすればよいのか

ケインズの世界大恐慌の説明

世界大恐慌は株価大暴落が原因で起こった現象です。大不況になった人々の行動をたどることで分かってきます

有効需要=消費+投資+政府支出と考えます

  1. 国民は将来への不安を抱えモノを買わなくなる
  2. 企業はモノが売れないから投資を控えてしまう
  3. 企業の投資が減少する
  4. 有効需要が減少する
    投資を削減すると供給が減るので、需要も減ってしまう
  5. 国内総生産も減少する
  6. 労働者も減少する
  7. 失業は継続される

有効需要の原理により、投資を減少させると供給能力が減ります。そうなると生産が減るので、買う人がいても買えなくなる

生産が減少すると労働者はいらなくなります

古典派の理論では、失業者がいても労働賃金を下げれば雇用問題は解決されると論じていましたが、解消されませんでした

働きたい労働者がいるのに、なぜ失業者が溢れてしまったのか

理由としては、労働賃金は一定以下には下げることは出来ず、企業側が労働者に払うだけの利益を出せず、賃金を払えないから失業者が溢れたのです

賃金を下げると労働意欲が低下し、かえって働かなくなります。だから下げられないのです

もしあなたが重労働の仕事を一日100円でやってくれと言われたら断るでしょう。疲労のわりに対価が伴っていないからなのです

ケインズの世界大恐慌脱出の対策

有効需要の原理により、この不況を脱出するためには政府の支出が必要になります

有効需要=消費+投資+政府支出と考えます

  1. 公共投資などで政府支出を拡大させる
  2. 労働者の増加
  3. 国内総生産の増加
  4. 有効需要の増加
  5. 需要供給が拡大
  6. 大不況を脱出

非自発的失業者を解消するためにはどうすればよいのか

政府は中央銀行からお金を借り、国債を発行し、失業者に仕事を与えることで、国内総生産は増加していきます。この対策が政府支出なのです

つまり不況の時は政府が財政支出を拡大させ、財政赤字を拡大させればいいのです

今では当たりのように各国で行われていますが、このような景気対策は画期的でした

流動性選好説(ケインズの貨幣論)

流動性選好説とは、貨幣の供給量を拡大させれば、貨幣の価値が無くなり、利子率が低下し始めます

このことにより企業は投資を積極的に行うようになり、国内総生産は拡大していきます

古典派の理論とはまったく違うものです

セイの法則の否定

ケインズはセイの法則も否定しています

セイの法則は、100円の供給は必ず需要で100円消費されるということでした

ケインズの考えは、100円から70円分のお菓子を買い、もし残り30円を貯蓄に回してしまうと、消費されないので需要は増えない

つまり国民がお金を使わず貯蓄してしまうと、需要や消費が減るので、経済に大打撃を与えてしまうのです

有効需要管理政策

有効需要管理政策とは、政府や中央銀行が有効需要を増減させることによって、失業を解消し、物価を安定化させることです

総需要管理政策ともいいます。中央銀行による金融政策は、不況時で失業が発生している時には、政府が財政出動の増加などで有効需要を増加させ、生産活動を活発化させ失業を解消させます

景気過熱時でインフレが発生しているときには、政府が緊縮財政、増税などで消費意欲を抑えることにより、有効需要を削減することによって物価を安定させます

インフレ時には財政黒字、デフレ時には財政赤字

長期的に考えると財政収支は、黒字になったり赤字になったりと均衡するので、合理的な政策ができるのです

日本のデフレを脱却するために

デフレを脱却するためには、このケインズの経済学をそのまま当てはめればいいのです

日本政府は日銀から、お金を借り国債を発行します。その国債を使って、公共投資や公共工事などを増やし、雇用を増やします

雇用が増えれば労働者は生活するのでお金を使います。そうすると市場にお金が出回るので国内総生産は拡大していきます

国内総生産が拡大するということは、国民のお金が増えるので所得が増えていきます

もちろん政府の負債は増えていきます。このことにより以下の事が成立します

  • 政府の赤字拡大は国民の所得が拡大
  • 財政赤字は、国民の黒字
  • 財政出動は国内総生産の拡大
  • 財政黒字は国民の赤字
  • 政府の黒字拡大は国民の所得が減少

2019年7月、今なお自民党はプライマリーバランス黒字化を政策として掲げています

プライマリーバランス黒字化とは、財政を健全化することなので、財政黒字化を意味します。一見まとものように見えますが全然違います

毎年続く財政赤字を黒字化にするには、国民から資産(所得)をもっともっと奪わないと黒字化になりません。そこで合法的に考え出された方法が…

消費税増税です

これが事実なので正しい経済を身に付けましょう

まとめ

古典派経済学は、まったく的外れな経済学ということ

ケインズの有効需要の原理こそ、景気を拡大させる合理的な手段になる

有効需要=消費+投資+政府支出

デフレは財政赤字、インフレは財政黒字で経済を安定化させることができる

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