デフレーションになる原因は3つの要因から成り立っている

デフレーションとは、3つの要因から発生しています。人々が良かれと思って行動したことが、かえって悪循環につながります。それが3つあるのです

目次

デフレーションになる原因は3つの要因から成り立っている

[box class=”green_box” title=”記事の内容”]デフレを引き起こす3つの要因を解説します

予想外のデフレ、デフレのフィッシャー方式、デットデフレーションの分析、デフレ悪化の悪循環

これらを解説します[/box]

デフレーションとは

デフレーションとは、物価の持続的下落です。インフレの反対です

deflationは縮む、縮小を意味します。これもインフレと同じように、一回物価の下落で止まれば問題ないのですが、そのまま下がり続けるのが厄介なのです

日本でも、2009年~2011年にデフレに陥りましたが、それでも0.3%~1.4%程度だったので、今のデフレよりもマイルドな感じです(2019年7月現在)

ですがこの時、消費者物価指数が大きく下がった、と騒いでたのでデフレには過剰に反応してました

今は、酷すぎて国民が慣れすぎてしまっているのかもしれませんね

インフレに関する記事はこちらです

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デフレーション分析の仮定

デフレを解説する上で、経済学では人は合理的な判断で行動すると考えます

単純化にするために、価格や名目賃金率なども一律に下落すると考えます

この定義で話を解説していきます

予測の重要性

デフレーション効果が予想されているか、否かで合理的な判断がかなり変わってきます

予想外のデフレーションが来てしまった場合は、合理的な判断も対策も打てなくなります

予想外のデフレ

インフレの記事を使って同じように解説します。なぜならインフレの真逆だからです

予想されていないので、合理的な対策が鈍ります。デフレを考慮せずに人々が行動してしまった結果、非効率が生じてしまいます

それと同時にデフレは、物価の価値が下落し貨幣価値を上げてしまいます。例えば、1000円で買える物が増えてくるわけです

デフレは貨幣価値の増加なので、将来、もしくは毎年一定額の金額を払う人は損失が出てしまうのです

負債返金人やマンションを購入した債務者などは不利となります

逆に債権者、貸金業者は有利になるのです

例えば、3千万借りてマンションを購入した。翌年物凄いデフレが起きてしまい、3千万のマンションの価値が下がった。つまり物価の下落により貨幣価値が上がった

貨幣価値の高いお金を返済し続けるのです

つまり貸付人が有利になります。返済額が実質的に上昇するからです

このように予想されないデフレは、債務者に不利、債権者に有利となり、デフレにより所得を再度分配する機能が働くので、所得再分配効果となるのです

フィッシャー方式

これもインフレ記事を使ってデフレを解説します。インフレ記事で書き忘れましたが、フィッシャー方式を考えた人は、フィッシャーという方です。どうでもいいですねw

フィッシャー方程式とは、利子率の計算方法の事をいいます。金利には2つあり、名目金利と実質金利があります

名目金利とは、表面上の金利をことで、契約する時などに年金利1%と決めることです

実質金利とは、実質的な負担をいいます。例えばインフレ率が-5%であれば、物価も給料も毎年-5%全てのものが下落します

デフレは借金をしている人は苦しくなります。なぜなら物価が下がり続けるとなると、給料も同時に下がるからです

これをフィッシャー方式にあてはめると

実質利子率=名目利子率1%-インフレ率-5%=6%となります。 実質利子率6%となるのです

見れば分かる通り上がっているのです

名目利子率1%(インフレ率5%)はマイナスとマイナスでプラスになるのです

この理由としては、契約上の利子率としては1%となってるのですが、工場や商品を作っている側からすると、製品や商品の価値が下がります

つまり値段が下がるのです。経営者は借金をして事業を拡大して商品を作っても、商品の値段が下落してしまうと、収入が減ってしまうので、名目利子率が上がったのと同じことになるのです

収入がそのままで金利6%払うのと、収入が下がって金利1%払うのと同じような効果になってしまうことなのです。(誤差もある)

このような現象が非常に厄介なのです

デット・デフレーションの分析

デット・デフレーションとは、世界大恐慌時にフィッシャーが指摘したデフレの事です

予想外のデフレーションによる借入金の実質利子率の上昇により、景気悪化が悪循環することです

今の日本の事です

需要要因によるデフレ

インフレ記事のディマンドプルインフレーションの真逆の事が起きるので、図を再掲します。少し改良しています

このように、需要が下がると、インフレ率や所得が減っていき、AD”→AD’→ADと段々左下にシフトしてきます

インフレ時のディマンドプルインフレーションのまさに真逆です

供給要因によるデフレ

これもインフレ記事の図を改良して説明します。インフレ時のコストプッシュインフレーションとは、生産費用の上昇により、インフレ率が上がる現象です

デフレはこれの真逆が発生します

このように、供給が下がると生産コストが下落し物価も下がってきます。AS”→AS’→ASと右下にシフトします

デフレは、需要要因と供給要因の悪化でさらに深刻化していきます

現実のデフレ

人は合理的な判断で行動する、価格も賃金率も同じように下がる、と定義していきましたが、現実はそんな簡単じゃありません

確かに人は考えて合理的な判断で行動をしているのですが、その判断こそが景気を悪化せています

良かれとおもって行動したことが、かえって悪化してしまった。その要因が3つあるのです

デフレーションを引き起こす原因とは3つある

これまでのことをまとめると、デフレが深刻化する原因は

  1. 物価の持続的な下落
  2. 需要の低下
  3. 供給の低下

となるので詳しく説明していきます

物価の持続的な下落

人々は合理的な判断で買い物をしようとします。もちろんデフレは貨幣価値が上がるので、商品が安くなった分多く買えます

例えば1000円で2個買えるのと、値段が下がって4つ買えるのとでは違います。物価の下落が止まらない限り値段は落ちていきます

下落により、需要が低下します

需要の低下

商品を多く買っているのだから、需要は増えていると思うかもしれませんが、違います

購買につながったのは、商品の値段が下がったからであって、もし商品の値段がそのままだと個数は減ります

1000円で2つしか買わないのは、値段が下がらないからです。人は合理的な判断をするので、もったいないからお金使うのをやめようと心理的な行動をとるようになります

そうなると供給の低下につながります

供給の低下

商品を下げて売ったのでは、割に合わないと企業側は考えます。まさに企業も合理的な判断をするようになります

生産しても買ってくれないのであれば、供給量を減らそうと考えます。生産費用が下がるので当然の考えです

そうなると市場に出回る商品は減り、もちろん売れないので企業側の収入は減ります

つまり、デット・デフレーションのような悪循環が発生します

3つの要因がデフレの深刻化を招く

この3つを合わせ、まとめると

供給の低下により、企業側の収入は激減する。そうなるとそこで働く労働者の所得も激減する

労働者の所得が激減したことことにより、需要の低下につながり、買わなくなる

購買が減ると、貨幣価値が上がるので、企業側は買ってもらおうと安売り戦略を打ち出し、物価の持続的な下落が始まる

例え売れても企業側の収入は上がらない。また供給の低下に逆もどりする

このような現象をニュースではこう言います

デフレスパイラル

つまりデット・デフレーションのように景気悪化が悪循環することです

ですが諦めてはいけません。デフレ脱却の方法はこの記事に書いています

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まとめ

デフレには3つの要因から成り立っている

デフレのフィッシャー方式は、金利が上昇してしまう

デフレ3つの要因がデフレスパイルを引き起こす

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この記事を書いた人

ビジネス、経済、心理学、簿記3級、起業、ドラムなど15年以上勉強してきた知識や情報、資格と知識の特化型ブログを発信中。

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