仕訳をわかりやすくするには勘定科目の増減を接点として考える

仕訳を解けるようになるには、文章のキーワードから勘定科目にたどりつけるように問題を分解し、わかりやすく理解できるように訓練しないといけません。完璧に仕訳ることよりも、文章から増加、減少を早く見つけるのがポイントです。

仕訳が理解できなくて、解き方に悩んでいませんか?

仕訳は、各勘定科目の増加と減少となるキーワードを見つければ早く解けるようになります。

僕は、文章から問題を解くのが苦手だったため増加と減少を接点に考えて、仕訳ができるようになりました。

ここでは、仕訳の仕組みを理解し、キーワードから勘定科目にたどりつけるよう仕訳問題を解説します。

読めば、問題のキーワードから増減となる手がかり読み解き、貸方、借方にたどり着く方法を習得することができます。

ポイントは1つです。

  • 仕訳がわかりやすくなる仕組みとは何か?

では具体的に解説します。

仕訳を解く考え方はあっても方法はない

おそらく仕訳を完璧に解ける方法はないだろうか、と探していると思う。

結論から言ってしまうと、仕訳を完璧に解ける方法など存在しない。

なぜなら毎年、勘定科目が増えたり変更したり、消えたりしているからです。

例えば、クレジットなんて勘定科目は10年前はなかったし、仕訳もそこまで複雑ではなかった。

勘定科目の変化によって仕訳の問題も複雑になっています。そんな変化している中で、これを知っておけば仕訳が必ず解ける方法など存在しません

では、仕訳を解く考え方とは何か?それはキーワードから勘定科目を探し出すことです。

勘定科目さえわかれば、資産、負債、純資産、費用、収益にあてはめ、文章から増加か減少かを判断できます。

増加減少がわかれば、借方と貸方が判別できます。

現代の問題文は、勘定科目を判別することが難しいため、記事の解説では増加か減少かで判断しています。

一歩下がったような仕訳の解説ですが、現時点では全ての仕訳を解く方法はないのです。

なるべく仕訳を解けるようにわかりやすく解説しています。

仕訳のために必要な知識

簿記には資産、負債、純資産、費用、収益あり、配列や位置には規則があります。記事では、この5項目を『5つのカテゴリー』と称して表現します。

損益決算書と貸借対照表

損益決算書の仕訳、貸借対照表の基礎になる配置であり、まずこの形を覚えておきましょう。

損益決算書と貸借対照表
財務諸表の形

5つのカテゴリーはこのよう分類されます。

今度は5つのカテゴリーをさらに分解して、借方、貸方に分類します。

仕訳の仕組み

まずはこの表を見てください。

仕訳の仕組み

この表が仕訳の基礎であり、この表に勘定科目を振分けて考えていきます。

簿記3級の各勘定科目一覧表(2019年版)

各勘定科目は、必ず5つのカテゴリーに分類されます。ただし分類されない、もしくは仮勘定など、財務諸表に記載されない科目もあります。

仕訳は5つの中で借方か貸方を決めます。これが全てなので絶対この表は覚えておくこと。

仕訳5つ定位置

そして5つの定位置も覚えておくともっと簡単になります。

5つの勘定科目の定位置

これを見てわかるように、全て増える方に配置されています。

  • 資産と費用は借方が増えるので左に位置しています。
  • 負債、純資産、収益は貸方が増えるので右に配置されています。
ポイント
問題文から、減少している文章が読み取れない、もしくは書いていない場合は、赤の定位置になります。

以上までが仕訳を読み解く基本となります。このパターンにあてはめて仕訳を説いていきます。

仕訳の解き方

仕訳は、問題文からいかにキーワードを読み解くかがカギとなります。そして勘定科目の増減が、どう仕訳に結び付つかを考えます。

どちらか1つが決まると仕訳は確定します。

文章から増えた、減ったと分かるキーワードを見つける

この条件をふまえ仕訳を解説していきます。

商品売買

商品3000円を仕入れ、代金は現金で支払った

商品3000円を仕入れ=資産の増加
現金で支払った=資産の減少

借方貸方
商品  3000現金  3000

商品を51000円(原価21000円)で販売し、代金は現金で受け取った

商品を販売し=資産の減少
現金で受け取った=資産の増加

借方貸方
現金  51000商品     21000
商品売買益  30000
ポイント
原価と出てきた場合は、差額分として商品売買益を使う。

現金・預金

商品8000円を売上げ、代金として他社振出の小切手を受け取った

商品8000円を売上げ=収益の増加
小切手を受け取った=資産の増加

借方貸方
現金  8000売上  8000

商品5000円を仕入れ、代金はかねて受け取っていた他社振出の小切手で支払った。

商品5000円を仕入れ=資産の増加
小切手で支払った=資産の減少

借方貸方
商品  5000現金  5000

得意先より売掛金の回収として、郵便偽替証書25000円と小切手15000円を受け取った

売掛金の回収=資産の減少
郵便偽替証書と小切手を受け取った=資産の増加

借方貸方
現金  40000売掛金  40000
ポイント
売掛金の回収は、持っている債権を渡して現金と交換するため資産の減少と考える。

他社振出の小切手、郵便偽替証書、送金小切手は通貨代用証券なので全て現金として考える

その他の取引

従業員の出張にあたり、旅費の概算額35000円現金で渡した。

概算額35000=資産の増加
現金で渡した=資産の減少

貸方が確定しているので借方は資産か費用の増加に絞られる。なぜなら資産と費用の増加は定位置として借方となっているからです

借方貸方
仮払金  35000現金  35000

従業員が出張から戻ってきたので、概算払いしていた旅費を精算し、旅費交通費として36000円を確認したため、不足分1000円現金で支払った

旅費交通費36000=費用の増加
現金で支払った=資産の減少

借方貸方
旅費交通費  36000仮払金   35000
現 金   1000
ポイント
出張前に渡した金額は未確定なため仮払金勘定(資産の増加)で処理します。

後日金額が確定した時は、これを旅費交通費(適切な勘定科目)として振り替えます。

その他の取引2

家賃月額15000円で賃借するあたり、不動産会社への手数料2000円保証金3000円を小切手を振り出して支払った

手数料2000円=費用の増加
保証金3000円=資産の増加
振り出して支払った=資産の減少

借方貸方
支払手数料  2000
差入保証金  3000
当座預金  5000

ビル一室を12000円で賃借する契約を結んだ、敷金(家賃の2カ月)と仲介業者による手数料家賃1か月)を普通預金口座から支払った

12000円で賃借=費用の増加
手数料家賃1か月=費用の増加
敷金家賃2カ月=資産の増加
普通預金口座から支払った=資産の減少

借方貸方
支払 家賃  12000
差入保証金  24000
支払手数料  12000
普通預金  48000

何度やっても解けない問題も多くあり、増減以外にも読み解くのが困難となる仕訳問題もたくさんあります。

仕訳は正直慣れです。完璧に解けるようになる、みたいな姿勢で挑むと苦戦します。

試験では問題を捨てることも大事です。なぜなら時間がないからです。

色々なパターンからキーワードを読み取る訓練は必要です。

勘定科目を早く覚えると仕訳がだんだん解けるようになってきます。

ただ勘定科目を覚えるのではなく、5つのカテゴリーにあてはめて覚えないと増加、減少と考えることができません。

仕訳の文章から、いかにも現実で起きているかのようにイメージできるかで決まります。

ポイント
仕訳を解くには、『キーワードからあてはまる勘定科目を探し出す』を意識すること

純資産の解釈

純資産に関して疑問を持っている方が多いと思います。純資産なのになぜ負債側なのか?と思ってませんか?

そう解釈するのは、純資産を純粋に稼いだ利益だと思っているからです。『利益は資産でしょ』と解釈しているので負債側に位置しているのは理解しがたいのです。

まず純粋に稼いだ利益だから純資産という考え方は捨ててください。純利益も解釈は同じです。

純と書いてあるのは、純額という意味です。
純額とは、差引きした残りという意味です。

純額と総額という言葉があり、総額は皆さんが聞いたことがあると思います。

総額とは全てを表す言葉です。純額は差額を表す言葉です。

このことから、負債側に純資産が位置しているのが分かると思います。
あまり出てきませんが、純利益も費用側に位置しているのです。

  • 損益計算書の純利益も収益と費用の差額を表しています
  • 貸借対照表の純資産も資産と負債の差額を表しています
  • 損益決算書の純利益は、費用側に位置していますが、利益として確立しています
  • 貸借対照表の純資産は、負債側に位置していますが、資産として確立しています
  • 純利益と純資産には、同じ純がついています
  • 差額表示だと解釈すれば納得がいきます。

    純粋ではなく純額なので間違えないように。これで理解できたと思います。

    まとめ

    仕訳は資産、費用、負債、純資産、収益が交わって振り分けられている。

    資産と費用は減れば貸方になる。

    負債と純資産と収益は減れば借方になる。

    資産と利益の純は純粋ではなく純額。