繰延見越しの費用収益を分かりやすく解説

繰延、見越しの問題は丸暗記で攻略できます。どのような丸暗記すればいいのか?丁寧に解説していこうと思います

繰延見越しの費用収益を分かりやすく解説

記事の内容
繰越見越しといえばややこしい、理解しにくいといった疑問が多いですが、何のために繰越し見越しをするのかといった基本を理解しておけば分かるようになります

ここでは決算を起点に解釈を進めていきます

繰延や見越しについて

繰延や見越しって言ったってわかりませんよね。極論言わせてもらえば、取り消すか、付け足すかの2種類だけです

収益とか費用とか出きますが気にすることはありません

ではやっていきましょう

繰延とは

当期にもらった収益であれ払った費用であれ、来期分を取り消して決算に計上することです

当期とは仕事開始から決算までの1年間です

見越しとは

当期にもらうはずの収益、払うはずの費用を付け足して決算に計上することです

簡単に言えばこれだけです

この説明を会話形式でやります。簿記試験問題は必ず1月〜12月までを当期と定めていますので、それに便乗して説明します

決算とは1年間の利益を確定することです

費用の繰延

腹黒い人
先に家賃払っといたで。月1万やから、1年間分の12万や。

今9月やから来年9月までや

正す猫
それはええけど、12月の決算までお金が合わへんよ
腹黒い人
どゆこと
正す猫
今9月やから………9.10.11.12の12月までの4ヶ月分は実際に住むからええけど、いったん利益を確定する決算の時に、12月以降の8か月分は住んでないから、現金が8万円分合わへんよ

このままでは現金が8万消えたことになる。現金の出所をハッキリせんと横領になる

腹黒い人
なるほど、でどうするの?
正す猫
実際お金払ったけど、決算の時に8万円を取り消せば、払った現金とつじつまが合うようになる

そこで8万円を取り消す仕訳をすれば、問題解決や

どういう仕訳をすればいいか、説明するで

正す猫
支払う家賃を当期に前払したから、来期分のサービスを受ける権利があると考えるんや

家賃の話やから家賃をあてはめる

先に支払った費用を前払費用(資産)と言う。仕訳の覚え方を教えとくで~

前払の明細は支払

注目
費用の繰延は必ず資産の借方費用の貸方となります

先に払った12月以降分の費用を取り消す仕訳です

収益の繰延

腹黒い人
土地余ってるから、知り合いに貸すことにしたわ

死んでた土地の有効活用や

しかも前払で12ヶ月分もろたでーw

正す猫
またかいな、今9月やから来年9月までやろー?

腹黒い人
せやでーw

正す猫
決算は12月やから、12月時点で4か月分貸したことになるけど、その先の8か月分は貸せてないから取り消さなあかん。どっから来たお金や~ってなるで

費用と同じように、先にもらった8万円分を取り消せば、問題解決や

正す猫
当期に前受したから、来期分のサービスを提供すると考えるんや

土地の話やから地代をあてはめる

先に受け取った収益は前受収益(負債)と言う。仕訳の覚え方を教えとくで~

受取明細は前受明細

注目
収益の見越しは必ず収益の借方負債の貸方になります

先に貰った12月以降分の収益を取り消す仕訳です

費用の見越し

腹黒い人
事業拡大のために、銀行から金借りたで~‼

正す猫
いくらや?

腹黒い人
900万。利子が10%や。しかも凄いのが利子は1年後に一括返済でOKっちゅうことや

利子9万を12ヶ月で割ると、ひと月7,500円や

今9月やから来年9月まで、待ってくれるって有り難いことやで~

正す猫
でも決算は12月やから、4か月分の7,500×4=30,000の利子分は費用計上せなあかんな~

腹黒い人
実際利子払ってないから別にやらんでえんちゃうん?

正す猫
ちゃうで!利子払ったと見越して費用計上せんと法人税多く払うことになるで

だから払ってなくても払ったと仮定して費用計上するんや

正す猫
本来当期に支払うべき費用をまだ支払ってないから、来期に支払う義務が生じると考えるんや

利子の話やから利息をあてはめる

まだ費用を払ってないから未払費用(負債)と言う。仕訳の覚え方を教えとくで~

支払は、まだ未払

注目
費用の見越しは必ず費用の借方負債の貸方となります

払うはずだった12月までの仮費用を付け足す仕訳です

収益の見越し

腹黒い人
友達に900万貸したったわ

催促無しの1年後に一括返金。ただし10%の利息はきっちりもらうけどな

12ヶ月で割ると、ひと月7,500やから決算までは4か月分。7,500×4=30,000や

腹黒い人
もういい加減覚えたで

例え収益がなくても、貸し付けた以上は、本来当期にもらう予定だった収益をもらったと仮定して計上するんやろ

正す猫
ようわかっとるやん

正す猫
本来当期に貰うべき収益をまだ貰ってないから、未収の収益と考えるんや

これも同じく利息を当てはめる

まだ収益をもらってないから未収収益(資産)と言う。仕訳の覚え方を教えとくで~

未収は、後で受取

注目
収益の見越しは必ず資産の借方収益の貸方となります

貰うはずだった12月までの仮収益を付け足す仕訳です

今まで出てきた仕訳を全て逆にすれば、再振替仕訳が成り立ちます

ここまでで仕訳がいまいちピンと来ていないのであれば、仕訳の基礎を理解できていないことになるので、しっかり出来るようにしておきましょう

仕訳を基本から理屈までわかりやすく解説

2018年8月9日

なぜ繰延や見越しをするのか?

なぜこんな面倒くさい仕訳をするのかというと、決算の財務諸表を強引に完成させるためにやっていることです

通常会社の取引というのは、会社の都合や契約内容によって異なり、きっちり決算までに利益が確定できるように取引をしているわけではないのです

上の例で言えば、契約の都合で9月から来年9月までとしていても、決算が12月であれば、1年間の利益を12月に絶対確定しなければなりません

そうなると12月以降の取引の仕訳を強引に決算時に調整します

合理的に考えれば、12月が決算なので4か月分の取引にして、決算が終わった後また再契約すれば、こんな面倒くさい繰延や見越しをやらなくて済むのです

ですが他社が絡んでくると、自社に都合の良い取引ばかりが出来るわけでもないので、繰延や見越しが必要になってくるのです

繰延見越しを更に深堀する

繰延見越しは確かにややこしいのですが、しっかり内容を理解しておきましょう。問題が解ければそれでいいわけではありません

繰延の理屈を理解する

繰延とは決算時を超えた取引をした場合のみの仕訳です。12月を超えた取引はみとめられません。12月を超えた利益費用は取消します。例えれば分かりやすいでしょう

自分の年収を聞かれた時、普通1月から12月までの年収を答えますよね。12月以降の給料を付け足して年収を膨らまして答えても、それ違うでしょってなります

年収は普通12月までです。仮に余分に先送りの給料をもらってもそれを含めて答えないでしょ

繰延の理屈も全く同じです。12月以降の利益や費用含めたら、正式な利益になりません。だから取消すのです

見越しの理屈を理解する

見越しとは12月までの取引を成立させる仕訳です。現金取引が無くても成立できます。なぜこのようなことが成り立つのか説明します

会計には発生主義会計というルールがあります。このルールは書類上の契約や会社同士の契約であれば、現金が無くても取引きが成立し、利益や費用として確定させることが出来ます

だから見越しの仕訳が成り立つのです。12月を超えた取引に惑わされるかもしれませんが関係ありません。見越しは12月までの利益確定を問われた仕訳です

次は再振替仕訳を説明します

なぜ再振替仕訳をするのか

再振替の理屈を上で出てきた仕訳を例に説明していきます

繰延の再振替

まず9月から12月まで4か月分の費用の仕訳
支払家賃4万  /  前払家賃4万  が通常の仕訳です

12月を超えた8か月分の費用の仕訳
前払家賃8万  /  支払家賃8万  となります

仕訳が逆になっているのが分かると思います。12月以降の8か月分の費用を払っているに、仕訳では費用の取り消しになっています

8万円払ったのに費用として計上できなければ、税金を多く払うことになり意味がありません。1月になれば新たに事業が始まるので通常の仕訳に戻す必要があります

つまり逆にした仕訳を更に元に戻すから振替仕訳というのです

収益も同じです

まず9月から12月まで4か月分の収益の仕訳
前受地代4万  /  受取地代4万  が通常の仕訳です

12月を超えた8か月分の収益の仕訳
受取地代8万  /  前受地代8万  となります

これも理屈は同じで、12月以降のお金をもらっているのに仕訳では収益の取り消しになっています。収益として確定できなければ、会社の利益が上がりません

なのでこれも1月になれば再振替仕訳で収益を確定させます

繰延費用の再振替
支払家賃8万  /  前払家賃8万  となります

繰延収益の再振替
前受地代8万  /  受取地代8万  となります

問題文で再振替仕訳をしなさいとでていれば、このようにやりましょう

見越しの再振替

見越しは払っていない費用、貰っていない収益の取引を仮にしたと仮定した仕訳です。なので現金取引がありません。仮の仕訳は取消します

まず9月から12月まで4か月分の費用の仮仕訳
支払利息3万  /  未払利息3万  が通常の仕訳です

現金取引をしていないので再振替仕訳をして一旦取消します。なぜならこのままの仕訳にしておくと払ってもいない費用を払ったとなるからです

なので1月になれば再振替で取り消します
未払利息3万  /  支払利息3万  となり仮仕訳を取り消すこと出来ます

そして現金取引ができれば9月から9月までの費用の仕訳をします

収益も同じです

まず9月から12月まで4か月分の収益の仮仕訳
未収利息3万  /  受取利息3万  が通常の仕訳です

現金取引をしていないので再振替仕訳をして一旦取消します。なぜならばこのままの仕訳にしておくと、貰ってもいない収益を貰ったとなるからです

なので1月になれば再振替で取り消します
受取利息3万  /  未収利息3万  となり仮仕訳を取り消すこと出来ます

そして現金取引ができれば9月から9月までの収益の仕訳をします

見越し費用の再振替
未払利息3万  /  支払利息3万

見越し収益の再振替
受取利息3万  /  未収利息3万

見越しは仮取引なので再振替で取消すということを覚えておきましょう

簿記の試験対策

文章問題対策はしっかりしておくことです

いくら理屈がやり方が分かっていても、試験の傾向と対策が出来なければ、試験に落ちます

ここでは、その傾向とパターン、その解き方を解説します

出題される仕訳はすでに決まっている

今まで出てきた4つうち、3つか2つに絞られて出題されます

今まで出てきた勘定科目一覧を確認しておきましょう

前払〇〇は貸借対照表の借方へ記入
支払〇〇は損益決算書の貸方へ記入

収益の繰延

前受〇〇は貸借対照表の貸方へ記入
受取〇〇は損益計算書の借方へ記入

費用の見越し

未払〇〇は貸借対照表の貸方へ記入
支払〇〇は損益決算書の借方へ記入

収益の見越し

未収〇〇は貸借対照表の借方へ記入
受取〇〇は損益決算書の貸方へ記入

この〇〇に当てはまる言葉も大体6つぐらいです

利息、地代、保険料、家賃、給料、手数料です

問題をやってみよう

実際に問題を解いてみて解き方になれておきましょう

問5その1

支払家賃55,000は11か月分で、12月分が未払いとなっている

この文章は、12月分が未払いとなっているところがポイントになります

12月分が未払い=費用が足りていないので付け足す。費用の見越しと判断できます

費用の見越し=支払と未払です

55,000÷11か月は5,000となり

支払家賃5,000  /  未払家賃5,000となります

問5その2

保険料のうち6,000は、平成×1年7月1日に向こう1年分を支払ったものである

この文章は、1年分を支払ったものであるとなっているところがポイントになります

1年分支払った=12月を超えた費用を取り消す。費用の繰延と判断できます

費用の繰延=前払と支払です

7月から12月まで、7.8.9.10.11.12と考え6か月分です

試験は必ず12月が決算になっているので、1月以降は残り6か月分となります

6,000÷12か月=500。500×6=3,000。問われているのは1月以降の6か月分の取り消しです

前払保険料3,000  /  支払保険料3,000となります

平成×1年7月1日と出ている時点でタイムテーブルを書くことをお勧めします。なぜならわかりやすくなるからです

問5その3

貸付金は平成28年9月1日に貸付期間1年、年利率2.4%で貸し付けたもので、利息は元金とともに返済時に受け取ることになっている。なお、利息の計算は月割による。(貸付金は30,000と残高試算表に表記してある)

この文章は、利息は受け取るとなっているところがポイントになります

利息を受け取る=収益を付け足す。収益の見越しと判断できます

収益の見越し=未収と受取です

30,000×0.02=720。1年間の利息が720になり、720÷12ヶ月=60、60×4ヶ月=240

未収利息240  /  受取利息240となります

問5その4

11月1日に、11月から翌年1月までの3か月分の家賃4,500円を受け取り、その全額を受取家賃として処理した。したがって、前受分を月額で繰り延べる

この文章は翌年1月受け取りがポイントになります

12月を超えて受け取り=収益を取り消す。収益の繰延と判断できます

収益の繰延=受取と前受です

4,500÷3か月=1,500、1ヶ月1,500となり、12月を超えた1月分を取り消します

受取家賃1,500  /  前受家賃1,500となります

問題を解くキーポイント

文章からキーワードを見つけ出すことが大切になります

あからさまに繰延や見越しと書いてある場合は簡単ですが、毎回そうではないので別の角度からキーワードを見抜けるように鍛えておきましょう

  • 1年分、もしくは12月を超えてると思ったら、取り消しと考えてください
  • 取り消しは繰延になります
  • 未払い、受け取りと文章に書いてあれば、付け足すと考えてください
  • 付け足しは見越しとなります

まとめ

繰延や見越し問題は、どちらかというとコツではなくほぼ暗記すれば解けます

この問題は精算表の第5問で必ず出てきます

繰越の仕訳と見越しの仕訳のテンプレートを丸暗記すれば、精算表への記入はとても簡単です

これを丸暗記すれば大丈夫です

  • 費用の繰延=前払と支払
  • 収益の繰延=受取と前受
  • 費用の見越し=支払と未払
  • 収益の見越し=未収と受取

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