日銀が対策する金融政策の効果とは

金融政策は国内や海外に大きな影響を与えます。景気の良し悪しで政策は全く変わります。正しい対策を知ることにより経済が分かるようになります

金融政策が経済に及ぼす変化を解説

記事の内容
金融政策のハイパワードマネーの増減手段や貨幣乗数の増減手段

公定歩合操作、買いオペ売りオペ、日銀貸付、法定準備率、アナウンスメント効果、コスト効果の詳細説明

金融緩和による国内への影響と貿易へ影響、金融引き締めによる国内の影響と貿易の影響

これらを詳しく解説します

金融政策とは

日本銀行法の第2条に書かれているのでまず引用を見てください

第二条 日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。
(日本銀行の自主性の尊重及び透明性の確保)

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=409AC0000000089#6

簡単に言うと、金融政策というのは経済の安定を目指すために、通貨や貨幣量の調整で物価の安定を維持する政策のことです

今の日銀は物価の安定2%を目指していますが、未だ実現していません

物価の安定とは、消費者物価指数を基に考えます。基準にするデーターは前年と比べます

簡単に説明すると、その年の消費が500.000、消費者物価指数は100だとします

翌年の消費が510.000だとした場合、102%となります
505.000だった場合は、101%になります

日本は2%に持っていくために、金融政策をしています

これから説明する金融政策というのは、日銀(日本銀行)と市中銀行(民間銀行)のやり取りです。民間人や企業に貸し出すお金には関係ありません

金融政策の手段

政策の手段として信用創造があります

信用創造とは、ハイパワードマネーを基に債務債権の記録を繰り返すことで、預金がドンドン増えていく、雪だるま方式をいいます

詳しくはこちらの記事に書いています

お金が流通する仕組みとは通帳の数字が変動しているだけ

2019年7月9日

信用創造は貨幣を生み出す基本的なシステムなのでしっかり理解してください。理解した上で記事を読んだ方がより理解が深まります

実は昭和63年頃まで、金利は自由化はされておらず、自由化までは公定歩合プラス貸出金利という形でした

今のように金額に対する利子ではなく、あらかじめ決められた金利と貸出金の利子だったのです

現在の金利の決まり方というのは、貨幣の需要と供給で決まる自由金利となっています

借りる人が多ければ、金利が高くなるということです

日銀の出来る対策というのは、貨幣は国が存在する限り

制限なしに無限に貨幣を増やすことが出来る

つまりハイパワードマネーを調整することができる。このことにより、

1.貨幣の供給を調整することによって利子率を上げたり、下げたりする
2.法定準備率を下げて貸し出す貨幣を増やす

2つの方法を見ていきましょう

1.貨幣の供給を調整することによって利子率を上げたり、下げたりする

1のハイパワードマネーを調整するやり方は2つです

公開市場操作

1つ目の公開市場操作とは、中央銀行などが国債などを市場で売買することでハイパワードマネーを増減させるやり方です

現在最も頻繁に行われている金融手段です。というよりも、ほとんどこれです。逆にこれ以外でやってる?と疑いたくなるぐらいです

国債の売買の手段として買いオペや売りオペがあります

買いオペ売りオペ

正式名称は、買いオペレーション売りオペレーションです。買いオペ売りオペです。てかどうでもいいです

中央銀行が市場で国債などを買って、代金として売り手に現金で支払うと、中央銀行から現金を供給するのでハイパワードマネーの増加となります。これを買いオペといいます

逆に日銀は国債をたくさんもっているので、市場で国債を売ります。買い手が国債を買うと現金を回収となり、現金を減らすのでハイパワードマネーの減少となります。これを売りオペといいます

国債を売り買いすることによって、ハイパワードマネーを増減しているのです

市場を公開しておく理由は、誰でも参加して売買ができ、日銀の数字が可視化できるので売買の動きが見ることができます

非常に透明性が高くなるので公開市場にしているのです。日経新聞でも公開されています

日銀貸付

2つ目の日銀貸付は、読んだそのままなのですが、もう一つのやり方は、日銀が市中銀行などに、現金を貸し出すことによってハイパワードマネーが増えるやり方です

反対に市中銀行に貸していた現金を回収することによってハイパワードマネーを減らします

日銀が貸し出す利子率を公定歩合と呼んでいたのですが、上から目線のような言い方は良くないとなり、現在は市場に任せる自由金利なったので、2006年から基準貸付利率と呼んでいます

新聞などをみると、公定歩合と書いているので、どっちなんだよ!と突っ込みを入れたくなります。どうでもいいですね

2. 法定準備率を下げて貸し出す貨幣を増やす

2のハイパワードマネーを調整するやり方は、法定準備利率を上下することです

法定準備利率とは2.5兆円を超える場合は、預金の種類にもよりますが、1.3%や1.2%となっています

簡単に言うと、各銀行は予備金として日銀に預けなさいというものです。詳しくはこちらの記事に書いています

お金が流通する仕組みとは通帳の数字が変動しているだけ

2019年7月9日

法定準備利率上げる

法定準備利率が高いと民間企業に貸し出すお金が下減ります

例えば、100万円を貸すとします。法定準備利率が30%だとすると、民間企業に貸し出せるお金は、70万円となり、30万は日銀に預けることになるので、ハイパワードマネーの供給を減らすことになります

法定準備利率を下げる

法定準備利率が低いと、民間企業に貸し出すお金が増えます

例えば、100万円を貸すとします。法定準備利率が5%だとすると、民間企業に貸し出せるお金は、95万円となり、5万は日銀に預けることになるので、ハイパワードマネーの供給を増やすことになります

さらに民間企業は利益を銀行に預けてくるので、更に銀行にお金が増えるのです

法定準備利率の調整は、ハイパワードマネーの調整というよりは、貨幣乗数を調整していると言った方が的確だとおもいます

公定歩合操作(基準貸付利率操作)

日銀の貸付の金利を上下することにより、市中銀行の利子率を調整することを公定歩合操作といいます

公定歩合とは、日銀が市中銀行にお金を貸し出す時の金利のことです。銀行が借りる量が多いと金利は上がり、低いと金利は下がります

1980年代までは、公定歩合操作の効果は絶大でした。なぜなら利子率は公定歩合を基準に決められていたので、公定歩合が下がると、全ての金利が下がるからです

ですが平成に入り自由金利となったので、効果はほとんど無くなってしまったのです

その中でも、アナウンスメント効果とコスト効果はあると言われています

アナウンスメント効果

アナウンスメント効果というのは、日銀が貨幣の供給を変化させる、と言ったことを市場関係者に予想されることによって影響を与えることです

つまり日銀の発言で市場が変化するかもと思わせることです

ですが、貨幣供給量を変化すると予告しても、市場関係者がそんなことをしても特に影響はないと予想されると、利子率にはほとんど影響はない

一種の心理戦のようなものです

コスト効果

市中銀行が日銀から借りている利子のことです。公定歩合の利子は銀行にとってみれば費用になります。つまりコストの事です

ですが今はデフレなので、銀行も日銀から借りているお金は少しです

今は公定歩合の金利も低くなっているので、銀行が民間企業に貸し出す金利も低くなり貸しやすくなっています

今も日銀が行っている政策の1つである金融緩和を説明します

金融緩和とは

金融緩和とは、不景気な時期に貨幣供給量を拡大することによって、民間企業が銀行から借りやすくする政策です

市中銀行に貨幣供給量を拡大すると、貨幣の価値が無くなり、金利が低くなるので民間企業は銀行から借りやすくなるでしょ、というものです

金融緩和の背景には、有効需要が関係しています

有効需要が少ないと、投資が減るので生産が上がらない。上がらないと人は必要ない。必要ないと失業者が増える。需要が減る

このような不景気が続きます。このような場合は政府が代わりにお金を使って雇用を増やす政策を行うことで改善されます

有効需要に関する記事はこちら

ケインズ経済学はデフレ脱却するための合理的な理論である

2019年7月5日

現代のグローバル経済においての金融政策は、経常収支である貿易の輸出や輸入も関係してきます

金融緩和による閉鎖経済

有効需要の原理に基づけば、不景気の時は失業者が増える、需要が少なくなる、となりますが、有効需要を拡大させれば失業者が減り、供給が増え、需要が増える

国内経済というのは、国内の需要を増やす政策です。国内の貨幣供給量を増やすことによって利子率が低下する

企業はお金が借りやすくなる。投資が増えれば生産が上がるので雇用も需要も増える、となるのです

金融緩和による開放経済

海外を考える経済では、有効需要+輸出-輸入となります

日銀金融緩和により、貨幣供給量を拡大させると、円が市場に大量にバラまかれるので、円の価値が無くなります

国内にとっては利子が低くなり借りやすくなるのですが、投資家からすれば、円を持ってても利子が低くて価値が無いから、円を売ってドルでも買おうとなります(ドルじゃなくてもよい)

その結果、円安ドル高になり貿易に影響を与えます

円安になると日本製品が安くなり、海外で売れるので輸出が増えます。半面、ドル高になるとアメリカ製品が高くなるので、輸入が減ります

円安円高の貿易に関する詳しい記事はこちらになります

為替レートの決定要因と円安円高の理屈を解説

2019年7月11日

金融引き締めとは

金融引き締めとは、景気が過熱時の時にする対策です。消費も多い、投資も多い、需要も多いとなるとインフレ率が上がっていきます

つまりインフレ状態の事です

需要超過となり供給能力が追い付かず、物価上昇と大量にお金を持つとなれば、お金の価値が無くなります

そうなると貨幣経済は崩壊していしまいます

このような時は、公共投資や財政出動を減らし、有効需要を減らします。貨幣供給量を減らすことなので金融を引き締める、となるのです

金融引き締めによる閉鎖経済

日銀は貨幣供給量を減らすことにより金利を上昇させます。市場に出回る貨幣の量が少ないと金利が上がるからです

その事により企業はお金が借りにくくなるので、投資を控えます

投資を控えると生産性が少なくなり、供給量が減り、需要も減ります

その他には、消費者の購買を抑制するために、消費税を導入し消費意欲を抑えるといったやり方もあります

金融引き締めによる開放経済

海外を考える経済では、有効需要+輸出-輸入となります

日銀金融引き締めにより、貨幣供給量を縮小させると、円が市場から引き上げられるので、円の価値が高くなります

国内にとっては利子が高くなり借りにくくなるのですが、投資家からすれば、円を持っていると利子が高くて価値があるから、ドルを売って円でも買おうとなります(ドルじゃなくてもよい)

その結果、円高ドル安になり貿易に影響を与えます

円高になると日本製品が高くなり、海外で売れにくくなり輸出が減ります。半面、ドル安になるとアメリカ製品が安くなるので、輸入が増えます

日銀の金融政策で市場や我々にどのような影響があるか分かったと思います。日銀の政策次第では、貿易や投資家にも影響が及ぶので、金利政策というのはいつも慎重なのです

まとめ

ハイパワードマネーの増減させるには、公開市場操作と日銀貸付がある

法定準備率操作を増減することにより、貨幣乗数を増減させる

公定歩合操作により、金利を上げたり下げたりする

金融緩和とは、不景気に貨幣供給量を増やし、利子率を下げ、企業に投資を促せる

金融引き締めとは、景気時に貨幣供給量を減らし、利子率を上げ、企業の投資を控えさせる