税金はビルトインスタビライザーの役割以外にも導入する理由があります。税金は何のためにあるのか?なぜ必要なのか?税金によって何が変わるのか?メディアや政府の報道では、税金は財源を確保するために導入しているといわれていますが全て嘘です。正しい税金への認識を確定申告を使って論理的に証明します。
税金は何のために導入されているのか?
税金はビルトインスタビライザーの役割とは別に、導入されている本当の理由があります。
ここでは、世間で言われる嘘やデタラメ、間違いを論破し、わかりやすく事実を証明しています。
記事を読めば、消費税の大きな問題、消費税が導入されている本当の理由、税金は財源確保のためではないこと、ビルトインスタビライザーの役割など、税金の本当の姿を知ることが出来ます。
ビルトインスタビライザーとは何か
ビルトインスタビライザーとは、所得に応じて税金の割合を変える制度です。別名、累進課税と言います。
そもそも税金とはインフレを防ぐためにお金を回収しているだけなのです。このあと詳しく解説します。
累進課税を理解できればビルトインスタビライザーを理解できます。
ビルトインスタビライザーの役割や短所を具体的に解説していこう。
累進課税とは
所得を稼げば稼ぐほど税率が多くなる制度です。沢山稼いでいる人から多くのお金を徴収します。
これは所得格差が広がらないようにする政策です。所得税の割合は以下の表にあります。
個人の所得には、国の所得税と地方自治体の住民税が掛かります。住民税は固定税である均等割りと、所得の10%がかかる比例税があります。
所得の割合によって徴収する税が累進課税です。
よって、累進課税はビルトインスタビライザーとなります。
ビルトインスタビライザーの役割
ビルトインスタビライザーの役割は2つあり、国民経済を助けています。
- 景気変動に対応
- 経済安定に対応
景気状況の変動に対応する
好景気時には所得が増えます。
所得が多いと所得税額や住民税額が多くなり、税金を多く引かれるので税引後の所得が減ります。
所得が低いと消費が控えめになり、消費を抑えインフレ率を下げ景気過熱を防ぎます。
不景気時には所得が減ります。
所得が少ないと所得税額や住民税額が少なくなり、税金を少なく引かれるので税引後の所得が増加します。
所得が多いと消費が多くなり、消費を拡大しデフレ率を下げ景気を拡大させます。
景気変動の波が大きくならないようにビルトインスタビライザーが安定させているのです。
経済安定に対応する
経済安定時には失業者が激減します。失業者などの給付金が減り、給料だけになるので消費もあまり拡大しません。結果、経済は安定したままになります。
経済不安定時には、失業者が激増します。失業者の給付金が拡大し、失業手当が増えるので消費は一定の割合を維持し、結果、経済は安定したままになります。
経済安定の波が大きくならないように給付金が安定させているのです。
このような給付金もビルトインスタビライザーの役割となります。
ビルトインスタビライザーの短所
ビルトインスタビライザーも良い事ばかりではありません。短所を知っておきましょう。
大きな景気変動が発生した場合、ビルトインスタビライザーだけではかばいきれません。あくまでビルトインスタビライザーは変動を小さくするだけで、完全にカバーできるわけではないのです。
ビルトインスタビライザーが発動しても失業者は出てしまいます。
景気が回復している時には、増税や失業手当の増減が発生するので経済成長の邪魔になる時があります。
景気が良くなると増税が多くなり消費意欲を抑えてしまうのです。これをフィスカルドラッグといいます。
税金だけではカバーできないほど経済が悪化した時は、裁量的財政政策を実行します。別名フィスカルポリシーといいます。
裁量的財政政策に関する詳しい記事はこちらです。
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ビルトインスタビライザーのおかげで経済や景気変動を安定させている
経済の景気変動により所得の差が出てきてしまい、そのため税金の徴収に差が出てきます。
低所得者は低税金、高所得者は高税金となるため自動安定装置となります。
そのため累進課税制度=ビルトインスタビライザーとなります。
ビルトインスタビライザーを取り入れることで、格差が出ないようにバランスを取っています。もし税金の支払いが一定となれば低所得者に取って生活が圧迫されてしまいます。
税金は他にもあり、身近にある大きな税と言えばタバコ税です。
タバコ税は上がり続けています。なぜ上がり続けてしまうのか?それは環境問題が関係しているからです。詳しくはこちらに書いてあります。
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ビルトインスタビライザーとは何かを理解できたと思いますが、そもそも税金とは何のために導入されているのか、くわしく解説します。
税金を導入する本当の理由
国民を苦しめる税金、相変わらず減らない脱税問題、税金に対して良いイメージは無いかもしれませんが、税金は絶対導入しないといけません。
税金を導入する理由は2つです。
- 市場のお金を回収するため
- 納税義務を課すため
市場のお金を回収するため
経済を活性化させるためには、企業が銀行からお金を借りたり、政府の財政出動など市場に国債や貨幣を投入しGDPを拡大させます。
もしこのまま市場にお金を投入し続けたらどうなるでしょか?
お金が溢れに溢れ、物価の価値は上がり続けお金の価値が無くなり、ハイパーインフレになってしまいます。
例で言えば、水をあげ続けると水が溢れ水浸しになります。ひたすら供給し続けると水の価値が無くなってしまいます。
これと同じで市場に投入したお金は回収しないといけません。そのため税金は導入されています。
納税義務を果たすため
政府は財源を作り出せるため財政問題は存在しません。
『だったら税を無くして無税国家でもいいじゃないか』と思うかもしれませんができません。
もし無税国家にしてしまうと国民は働く意欲が無くなります。
なぜなら税金を払う必要性が無くなるからです。
所得格差が拡大し、富豪の所得は増え貧困の所得は増えず、格差は広がり続けます。
無税国家に出来ないからビルトインスタビライザーが組みこまれているのです。
そして納税義務を課すことで働かせているのです。
税金を導入しないと貨幣価値が崩壊する
政府の国家予算のお金を毎年回収することでハイパーインフレを防いでいます。そして税金を徴収することで納税義務を国民に課し働かせています。
所得が拡大すれば納税額が大きくなるので働かざるをえなくなります。
政府は財源を作り出せるので財政問題が存在しないにもかかわらず、財源確保のために消費税が導入されています。
なぜなのか?それは我々の税金に対する認識が間違っているからなのです。
多くの方が税金の間違った認識を持っている
間違った税金の考え方や見方をしている方が非常に多く、メディアや政府の嘘報道により事実誤認がかなりあります。
ここからの税金の解説は、すべて事実であり現実に起きていることを説明します。
税金は財源確保のためではない
政府の政策やメディアで言われるのが税金を確保しないと財源が確保できないと言われています。
このような事実誤認となる報道は非常に多くあり、本気で思っている方が多いので言っておきますが、
これは嘘です。
それを証明するために2つの観点から論理的に説明します。
- 国のスタート時
- 確定申告のタイミング
国のスタート時
国の誕生を接点に考えてみます。
ここに日本という国が誕生しました。国を運営するためには政策として税金で財源確保すると主張していますが、国民はお金を持っていません。
なぜなら政府が先にお金を発行し国民が現金を持たないと、税金は絶対払えないからです。
このことから、政府は貨幣を作り出せるので財源問題は存在しません。
確定申告のタイミング
個人事業主の方は、毎年めんどくさい確定申告をしていると思います。この確定申告を使って論理的に税金は財源確保していない事を証明します。
細かい事は抜きにして、単純にわかりやすく説明します。
政府は毎年国家予算を決めています。例えば2021年の国家予算が決まるのは2020年です。
次に、2020年度の国民の税金が確定するのは2021年の2月に確定します。厳密には確定申告は人によって違うのですが、ここでの申告は2月とします。
この時点で、国家予算の執行と確定申告のタイミングに時間差があることに気付きましたか?
国家予算のお金が使われるのが2021年度初頭です。
国民の税金が確定するのは2021年の2月です。もし税金を財源とするのであれば国家予算は確保できません。最低でも2月以降になるからです。
それなのに毎年、国家予算は年度初頭に使われているのです。
税金が確定する前なのに。
これらの事実により、税金を徴収しなくても財源は確保できるのです。
なぜなら政府は貨幣発行に制限が無く、無制限で刷れるからです。
よく言われるのが、「公務員は国民の税金で養っている」と聞きますが、そうではありません。
国家公務員や政府の公共サービスなどは、政府が作り出す財源でまかなわれています。後で、税金を回収しインフレの調整をしてるだけです。
この2つの観点により、税金は財源確保のためではないと証明できます。
そのため財源確保として導入されている消費税は全く必要ないのです。
消費税は何のためにあるのか
消費税増税の理由で、もっとも言われているのが財源を確保しないと財政赤字が拡大し国が破綻する。
増税しないと社会保障がまかなえない。
国の借金は1000兆円を超えており、このままでは借金が増え続け財源がもたない。
国債発行には上限があり、発行しすぎると金利が上がりすぎて発行できなくなり国が破綻する。
これらは全て嘘です。
消費税というのは安定財源であり、低所得であろうが高所得であろうが容赦なく10%の税を徴収されます。
ビルトインスタビライザーとは景気変動に対して、税金の支払いが大小に変動することで経済を安定させています。
消費税は一定の税率で徴収する安定財源なので、ビルトインスタビライザーの役割を果たしていないのです。
そんな役割を果たしていない税が、なぜ導入されてしまうのか?
それは、財務省の権力維持やプライマリーバランス黒字化の目標があるからです。
プライマリーバランス黒字化
プライマリーバランス黒字化とは、消費税でさらに税金を徴収することで政府の赤字を減らし黒字化する計画です。
財政を赤字から黒字に転換するのは大事なことだと思うかもしれませんが、真実は全くの真逆です。
まず簿記の原理を簡単に解説します。
- お金を貸した者がいれば必ず借りた者がいる。
- 誰かの黒字は誰かの赤字です。
- 誰かの純負債は誰かの純資産です。
- 銀行からお金を借りれば借金ですが、現金はあなたの資産となります。
- 誰かが大金を稼げば、必ず誰かのお金が減ります。
つまりお金が移動しています。
この原理を基にプライマリーバランス黒字化した場合どうなるでしょう。
政府の赤字は国民の黒字になるので預金や現金が拡大します。
反対に、政府の財源が黒字化すれば国民は赤字になるので貧困化します。
現在(2020/7)、政府が抱える純負債は700兆ほどです。仮に政府の財源が黒字化してしまったら国民が持っている預金や資産の700兆円が吹き飛びます。
1998年、プライマリーバランス黒字化を達成した翌年にアルゼンチンは財政破綻しています。
一部の既得権益者のためにある
今も消費増税をもくろむ政治家や既得権益者は存在しています。
経団連や一部の強大な投資家連盟。緊縮財政を続けている財務省など権力維持のために消費税を率先して主張しています。
その証拠に、消費税が上がると必ず法人税が下がっています。裏で経団連や企業投資家などが恩恵を受けるために消費税を後押ししているのです。
また、財政破綻をネタにビジネスを展開している輩も一定数います。
消費税があるため国民は貧困化している
政府は財源を作り出せるので消費税は必要ありません。財源を増やしたいのであれば国債を発行すればいいだけです。
財務省のHPがそれを証明しています。
外国格付け会社宛意見書要旨
https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm 財務省HP、 外国格付け会社宛意見書要旨より
[ 英文 ]
1.貴社による日本国債の格付けについては、当方としては日本経済の強固なファンダメンタルズを考えると既に低過ぎ、更なる格下げは根拠を欠くと考えている。貴社の格付け判定は、従来より定性的な説明が大宗である一方、客観的な基準を欠き、これは、格付けの信頼性にも関わる大きな問題と考えている。
従って、以下の諸点に関し、貴社の考え方を具体的・定量的に明らかにされたい。
日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。
日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない
自国通貨とは円の事です。日本は円を無制限に発行できるので債務不履行(デフォルト=財政破綻)はありえないと証言しています。
消費税が廃止や凍結されても財源は確保できるので心配はいりません。
事実誤認や教えなどで正しい判断ができなくなっています。そのため間違った政党を支持し続けています。
30年近く不景気にさせてきたある政党は消費税をいまだに主張しています。あなたは本当に正しい一票を投じていますか?
消費税はむしろ日本を壊滅させる政策なのです。
まとめ
ビルトインスタビライザーは経済自動安定化装置であるが、変動を小さく抑えるだけで、経済変動を完全にカバーできない。
税金を導入することで、経済や景気変動の安定を実現している。
税金は財源確保のためではなくインフレ対策のためにある。
消費税は国民を貧困化させている。