ベンチャー企業の資金調達方法と、リスクや回避策を解説します

ベンチャー企業に潜むリスクやその回避策を解説します。資金調達方法や投資家の種類、民間機関など説明していきます

ベンチャー企業の資金調達方法と、リスクや回避策を解説します

記事の内容
ベンチャー企業と中小企業の違い、スタートアップや急成長などのリスクや対策、回避策や課題など説明

投資家などは起業家にどのような目線で見ているのか、ベンチャー企業に関する疑問や資金について解説します

ベンチャー企業の定義

研究開発集約的または、デザイン開発集約的な能力発揮型の、創造的新規開発企業(難しいですね)

もっと簡単に言い換えると、リスクを恐れず新しい領域に挑戦する。比較的若い企業で製品や商品の独創性や事業の独立性、社会性や国際性を持った企業

一般的な中小企業との違い(良い悪いではない)

ベンチャー企業
高い志や強いロマンを持ち、強い成長意欲、製品商品に独創性があり、新規市場顧客の創造、若い企業、若い従業員を率先している。高い利益率に先行投資し、ベンチャーキャピタルなどリスクマネー活用している

一般中小企業
低い志や弱いロマンで、成長意欲はそれほど強くない。製品商品に独創性がない。既存市場顧客の拡大や経過年数が長い停滞企業。平均年齢が高く、変化もしない。低い利益率を現状維持し、中小企業金融や融資中心の自転車操業をしている

起業家の特徴

日本の起業家の平均年齢は40歳以上で、最近では若者とシニア層の企業が増加している

学歴では最近は高学歴者、大学、大学院、起業家増加しているが、大手企業で出来なかった研究や企画を実現するために、退職し、独立する動きも多い

最近の若手起業家は志が高く、大きな夢を持ち、それを実現しようとする強い意志がある。更に先見性、決断力、リーダーシップのバランス感覚も備えている。

若手企業の大きな変化は、不得意な分野や自己能力の限界を自覚して、挑戦している

死の谷とダーウィンの海

死の谷

技術開発型ベンチャー企業の場合は、最初の製品を市場に出すまでコストが膨大になるケースがあり、資金を使い果たして倒産することがある

ダーウィンの海

お互いに競争している血みどろの海

新製品の開発に成功しても、既存製品の競合他社との競争があり、弱肉強食の生存競争で勝ち残っていく必要がある

スタートアップ期の課題

創業者は熱意や事業構想力、課題発見や課題解決能力、決断力、向上心、柔軟性組織リーダーシップが必要です。初めての経営は分からず、現実の波に流されないよう、しっかりした志を持つことです

事業計画書など、説得力ある合理的な事業計画が必須です。どんなに情熱があっても利益につながらない計画は、ただの妄想です。投資家が納得するビジョンを打ち出すこと

創業時の体制は、創業者の夢、価値観を共有できる2〜3名の同士で構成し、同じ夢をしっかり明確にして協力体制を崩さない体制を維持する

創業資金と成長資金は、1円企業も可能であるが、起業としての信用が無いので1千万程度あるのが理想です

急成長期の課題

経営チームの再編は VC (ベンチャーキャピタル)からの出費、 上場のために財務のプロとの意見が合わない取締役は、解任することも必要(しっかりした考えがある場合は別) 。技術系の創業者の場合などは、経営のプロを社長にし、自分は技術担当役になるやり方もある。(本田宗一郎のやり方も経営のプロに任せていた)

事業の強化に関しては、最初の商品は売れて当然であるが、類似品、もしくは模倣品が市場に出てきた場合は競争が激化することを考慮しておく。絶え間ない改善、改良が必要。一般的に言うPDCAサイクルを実行する

VCからの資金調達は、数千万〜数億円が必要。 VCは徹底したデューデリジェンス(投資先企業の経営や将来性を調査すること)が実地される。審査が通れば投資が数回に分けて実行される

社内の組織化については、従業員が増加すれば、ピラミッド型の縦組織を整備する。各自ルールを設定し、健全な会議を開催。社員とのコミュニケーションを心掛け、誰が何をしているのかしっかりとした各自の管理を徹底する

ベンチャー企業の資金調達

資金調達に関する融資先の種類を紹介します。起業を考えているのなら是非参考にしてほしい

資金調達に関しては、政府系金融機関などから開業資金を受けることも可能です。研究開発系の企業は、研究助成金の申請手段もあります

日本政策金融公庫(一番有名な融資先)
新規開業資金、女性/若者/シニアむけ起業家支援資金、再チャレンジ支援融資、新事業活動促進資金などの融資制度があり、審査も他と比べると緩い方です。他には、商工組合中央金庫の新事業育成資金もあります

公的な助成や補助
ベンチャー企業を支援する助成金や補助金としては、科学技術振興機構、独立行政法人、中小企業基盤整備機構、経済産業省中小企業庁などがある

民間のベンチャー基金による助成
公益財団法人三菱UFJ技術育成財団、公益財団法人広島ベンチャー育成基金など

株式や新株予約権付社債の発行による資金調達
自己資金、自分家族友人、エンジェルベンチャー企業を支援する個人投資家、政府系VCー中小企業投資育成株式会社、民間VC、持株会ー取締役や従業員のインセンティブになる、株式市場のジャスダックマザーズなど

第三者からの資金調達に対する考え方

市場からの資金調達には三つあります

1:第三者からの出資は受け入れず、自己資金の範囲で事業を拡張しても時間がかかる。タイミングを逸する可能性もある

2:創業者の共有を重視し、第三者からの資金調達を、慎重、かつ綿密な資本政策として考える

3:第三者から多額の出資を受け入れても、資金は得られるが創業者の出資比率が低下するので議決権が奪われる可能性があります

議決権に関しての記事はこちら

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ベンチャーキャピタルとは

先ほどからVCと連発している言葉のことです
venture capital 略してVCです

新産業を創出するベンチャー企業に、リスクファイナンス(主にリスクキャピタル)を提供し、ベンチャー企業の企業価値向上の支援をする財政企業のこと

1946年に米国で設立された American RESEARCH development が最初のベンチャーキャピタルとして有名です

発端は、米国経済の衰退を懸念した米国政府が、東部の大学や財界の協力のもと、銀行の人材や資金の提供を受けて設立したものです

VCはベンチャー企業に投資し、企業価値を高め、株式等の売却額と投資額との差を得ることでビジネスが成り立っています。企業がこけてしまうと投資資金を失います

従って、資金供給だけでなく、企業価値を高めるために以下のような様々な支援サービスを提供しています

事業計画の策定支援、経営チーム結成支援

人材紹介、販売経路の開拓支援、業務効率化支援

資本政策策定支援、上場準備コンサルティング

投資事業組合とは

投資家から資金の出資を受け、べンチャー企業の株式などに投資し、株式上昇などの投資回収によって得たキャピタルゲイン(社債や株式などを売却して利益を得ることです)を投資家に配分するファンドを運用する組合

エンジェル投資家とは

創業間もないベンチャー企業に対して、資金の提供等事業の支援を行う、ある特定分野に専門性を持つ個人投資家(個人で融資しているのが特徴)

エンジェル投資家やVCに、融資に関してどう説明するか

説得力のある事業計画を作成し、ビジネスが成功する理由や根拠を示して説明することが重要です

製品やサービスの優れている点を分かりやすく説明。もし利便性のある商品ならその資格も提示した方が良い

会社に模倣されない理由を根拠を示して説明すること。もしあればリスクもきちんと説明する。質問にはまず答えを述べそれから理由を説明

事業計画書の作成記事はこちらになります

このエグゼクティブサマリーを参考にすれば事業計画書は作成できる

VC から見たチェックポイント

社長の意欲
事業意欲が強いか、熱意があるか、バランスが取れているか、人の話をきちんと聞く性格か、嘘つきではないか、隠し事はないかなど、リーダーシップの素質をみてきます

事業計画の妥当性
数字に根拠があるかどうか、市場に受け入れられる製品サービスかどうか。これは先ほど説明した通りです

模倣対策や創業メンバーなどバランスが取れているか、社長の夢や考え方に共感を持っているか、などの探りをいれてきます

ベンチャー企業の失敗事例

失敗例をみて、何が行けなかったのかを覚えておきましょう。ただ経営するだけじゃなく、失敗事例をみて、心がけることが大事です

  • ケースA
  • インターネットのFAX サービス
  • 融資は数億円から融資10億円
  • 技術開発の遅れ、コスト意識の低さ、収入がほぼゼロなのに、 豪華なオフィス、従業員30名を維持。借金と収入を勘違いしたとしか思えない振る舞いで倒産に至る
  • ケースB
  • パッケージソフトの販売開発
  • 出資1億円前後、融資枠も確保
  • 住宅開発からパッケージソフトへ転換、営業力が弱くジリ貧になり、社長は営業を軽視。新聞広告さえ出せば売れるだろうと軽く考え、一方他社は、劣った製品だったが、販売ルートを確保し着実に売上を拡大され、競争に負け倒産する
  • ケースC
  • ソフト開発販売
  • 出資4億円
  • 技術開発、製品化の失敗。社長は夢を語り続け、実際の製品開発に集中しなかった。計画との乖離が拡大しても、適切な対応を取らず、出資者は追加出資に応じてくれず倒産
  • ケースD
  • オンラインショッピング
  • 出資4億円
  • 当初は堅実に経営していたが、新規に10億円が容易に調達できたことにより、経営感覚がおかしくなった。調達した10億円を広告で一気に消費し、コスト意識が欠如した経営で倒産
  • ケースE
  • 医療機器の商社
  • 出資1億から2億
  • 製品をまず使ってもらうことを重視。導入実績を増やすことに注力したが売掛金の回収を軽視。精算時に売掛金は相当額回収しているにもかかわらず、社長は売掛金の回収が重要であることは、理解していたつもりであったが徹底せずに倒産した。明らかに甘く見ていたことと、部下に厳しい事を言えない優しい性格も災いした

売掛金とは信用取引の事。商品を先に渡し、お金は後で徴収する仕組みの事

ベンチャービジネスが失敗する原因

上手く運営がいかない、経営陣や社長の体たらくぶりを指摘していきます。ですが、怖がらせているわけではありません

失敗の9割以上は、経営体制を無責任な感覚で行っているのからなのです。その失敗する感覚を見ていきます

営業力への軽視や収益確保など、執着心への無さ。営業目標の未達成を放置するなどの責任感の無さ

良い感触を売れたと勘違いし、契約までフォローしない。売上債権の回収の軽視や日銭稼ぎの感覚

自社製品、自社技術への過信や自信過剰

市場の読み違いや、甘い販売計画。強気すぎる価格戦略(高くても良い製品は売れる)と完全競争市場を見ていない

競合他社との動向を軽視やコスト管理の甘さ。売上が無いのに、課題な出費を継続

資金調達後の急増を売上と勘違いし、不要不急の出費(豪華な社長室、PCの入れ替え)などで、費用対効果を全くの無視

無謀な挑戦(計画段階で無理が生じている)VCからの出費で一か八かの勝負に出る

環境変化への判断ミス。当初の計画への執着や計画変更を認めない経営陣。売れる見込みのない商品に固執し続ける

社長の能力不足。希望的観測と事実を常に混同している思考。嫌なことに目を向けない、夢ばかり見ている

ビジョンやリーダーシップがない。部下に厳しくできない、優柔不断で決断力が無い

社長が会社を私物化。私利私欲だけの社長(有名になりたい、金持ちになりたい)

社長の給与が異常に高い。社長への高額な貸付金、頻繁な仮払金など

スタートアップ期のリスクと対策

スタートアップ期

リスク:先行投資による、キャッシュフロー不足
対策: 投資と資金調達の綿密な計画と実行

リスク:顧客ニーズへの読み違えによる商品販売の不振
対策: 顧客ニーズへの冷静な分析と販売促進

リスク:経営陣の内部分裂
対策:内部で徹底的なコミュニケーションとルール作り

急成長期

リスク:資金が潤沢からコスト管理が緩み、浪費が拡大
対策:徹底したコスト管理、管理会計の専門家を採用

リスク:急激な事業拡大に挑戦して、過剰投資、採算無視の投資を行う
対策:身の丈になった投資、市場を的確につかみ、投資は冷静に判断

リスク:急成長に伴う支払いの増加によってキャッシュフローが不足する
対策:キャッシュフローを重視した経営、金融機関からの運転資金を調達

技術ベンチャー企業固有のリスクと回避策

リスク:製品開発からくる資金の枯渇
回避策:開発計画の遅延を見込んだ豊富な資金の確保

リスク:模倣品との競争、模倣品による売上減少
回避策:基本特許出願と周辺特許への出願

リスク:大量生産のための設備投資負担
回避策生産をアウトソーシングする

アウトソーシングとは外部委託のことです

ベンチャー企業が成功するために

環境変化に対しては、政治、社会、経済、競合環境を正確に捉える

明確なビジョンは経営理念、会社の目的、社長などが進む方向を支持する

市場の絞り込みは、最初はニッチ産業から攻めていくこと

製品やサービスなどは、買い手やニーズの欲求に耳を傾ける

経営チームは、攻めの起業家、守りのNO2の体制を維持する

起業家の資質は、志や夢、先見や決断力などで社員を引っ張っていく魅力を作る

資金調達は、自治体や政府系金融機関、大学等の助成制度の利用

まとめ

ベンチャー企業とは、成長意欲の高い、リスクを恐れない起業家のこと

死の谷やダーウィンの海で生き残っていくこと

企業の成長に合った資金調達が必要。綿密な事業計画を考えることも重要

資金調達は、政府系金融機関やVCなどを利用する

ベンチャー企業に率先して投資しているのがエンジェル投資家とベンチャーキャピタルです