マーケティングリサーチは情報戦です。質の高い情報を集めライバルを出し抜くためのリサーチシステムの重要性も解説します。
Contents
マーケティングリサーチの情報収集と市場調査の要素
記事の内容
マーケティングリサーチ
マーケティングリサーチの必要性や目的の解説
マーケティングのPDCAや投資
市場の種類やマーケティング費用
マーケティングの成果測定や実行に関する内容
マーケティングのシステムの取り込み内容や情報集
調査目的も明確化や報告の仕方
マーケティングのリサーチの落とし穴
これらを解説します。
マーケティングリサーチの必要性
マーケティングリサーチの要素は十分心得ておく必要があります。十分なリサーチをすることで市場は何を欲しているのか、消費者は何を求めているのか、を綿密な調査から把握し、それを改善するというのがマーケティングの戦略のひとつです。
今の市場にあって何が欠けているのか、今の市場に無いモノはいったい何か。 そこを補うマーケティングリサーチの情報戦が必勝の決め手になります。
流通経路を確保することもマーケティング戦略を有利にします。
マーケティング活動のためには、機会や問題点を明確にすることがとても重要です。ニーズの欲求をきちんと把握するようにしましょう。
全てのことがわかるわけではないですが、質の高い情報収集をすることによって成功確率が格段に上がります。今ある既存や既知の情報だけでは不十分な場合があります。
マーケティングリサーチの目的
チャンスを特定する要素も重要です。例えば市場の大きさであったり、市場の成長推移、どれくらい成長しているのか、利益がどれぐらい見込めるか、その先の成長性を予測します。
マーケティング戦略を組んだ時に、利益がどれぐらい得られるか、市場の可能性、マーケティング活動の効率性や効果の評価はとても大事です 。
マーケティングにPDCAを取り入れましょう。マーケティングのPDCAを回すためにどのような情報が必要であるか、を調査しましょう
マーケテイング投資
マーケティングには投資がつきものです。広告を使ったり、マーケティングを有利に動かすための投資が重要です。販売経費や販売代理店手数料なども考えます。
投資の効果によっては料金を上げたり下げたり調整します。
投資がちゃんと成果を上げているか、の分析をしましょう。自分たちがやってきた施策がどれぐらいの成果をあげているのか、どれぐらいの評価を得ているのか、の調査をしっかりしましょう。
投資分析はとても重要で、マーケティング活動は、何にどのように影響しているのか、本当にマーケティング戦略以外の副作用が出ていないのか、副作用があるとすればそれはどのようなものなのか、の調査をしっかりしましょう。
4つのPの戦略もしっかり考えてうまく機能しているか、何が原因で止まっているか常に分析調査、分析調査を繰り返しましょう。
4つのPに関する詳細はこの記事を参考にしてください
市場の種類
市場の種類も考えましょう。種類を簡単に説明します。
潜在市場
ある商品サービスに十分な関心があり、購買力のある消費者や、買い手の集合のことをいます。
有効市場
感心も購買力もあり、実際に商品サービスが提供されるようになった時に、売り手にアクセスでき、購入する資格がある市場です。
標的市場
その企業がターゲットにすると決めた消費者の市場です。
浸透市場
その企業の商品やサービスを実際に購入している消費者の市場です。
マーケティング費用
景気動向によって大きく変わります。今はデフレです。そんな状態では消費者がモノを買わないので、大きな広告やマーケティング費用をかけてもあまり効果は見られません。
インフレの時には、お金の価値がなくなるので消費は増えます。消費が増えるということはマーケティングが拡大するということです。消費が増えるので広告費用をかけれます。
景気動向調査は本当に重要です。ただ闇雲に考えて費用をかけるのではなく、 デフレの状況であるから、これぐらいしか消費しないであろうという憶測のもと、戦略を考えたり、自分たちに向けての投資や AI などを使うなど、コスト負担を少なくするような投資を考えなければいけません。
需要の評価
市場の潜在力の評価を知っておきましょう。
市場シェアの割り出し方は、自社の売上÷業界全体の売上×100で割り出せます。業界の総体的な割合が分かります。
例えば自社20億÷業界売上1000億×100であれば、業界の中で自社が占める割合は、2%となります。
それとは別に市場調査会社のレポートの活用もできるので、競合他社の売上も把握できます。
市場の成長推移、売上推移から自社の売上げが、どれぐらいの割合で占めているのかを把握し、そしてシェアが高い会社はどのようなことをしているのか、ということを調査することはとても重要です 。
マーケティングの成果測定
成果測定にはどのような項目があるのか紹介します。
売上分析
売上差異分析の数量要因、価格要因に分解して分析します。ミクロ売上分析の商品別や地域別などで売上分析をします。
市場シェア分析
全体市場のシェア、対象市場シェア、相対的市場シェアはどれぐらいの規模であるのか、という分析です
売上高対マーケティング比率分析
売上に対する調査費、広告費、人件費、販売費等の比率を分析します。
財務分析
貸借対照表や損益計算書の財務諸表の数値による分析です。つまり損益計算書の費用に対して売上がどれぐらいか、費用ばかりかかって売上げが上がってないようではあまり意味がありません。これはよく聞く費用対効果の事です。
マーケティングリサーチの実行
マーケティングリサーチをなぜするのかというと、実行するまでの過程を明確にするためです。過程があやふやでは実行も身になりません。
1:問題と調査目的の明確化すること
2:調査計画の策定
3:調査計画の実行つまりデータの収集と分析が必要です
4:調査結果の解釈と報告
これらのプロセスを経てマーケティングリサーチを実行することになります。これまではリサーチに関する基本的な知識ですが、次は実行するために必要な体系的な仕組みを解説します。
マーケティングリサーチシステム
マーケティングリサーチシステムを知っていますか?
マーケティングの意思決定に必要な情報は、その場でタイムリーに提供する仕組み作りを心掛けることです。 リサーチシステムの導入はPDCAを回すことであって気まぐれに聞くことでありません。
つまりタイムリーに意思決定をすることで、成果をより実りのあるモノにできます。
情報の収集は整理、分析、評価、情報の共有のための仕組みが必要です。
外部調査会社に委託している情報だけでなく、社内情報や顧客からの評価、何よりも苦情評価情報もすべて組み込みます。
このようなシステムを導入するかしないかで、マーケティングの価値というものはものすごく変わってきます。このリサーチシステムの結果というものは計画立案だけでなく、何よりも計画を実行する時にとても重要になるものです。
見直すための記録をとっておくことも重要です。次の計画に活用することも考えて、実行には何が必要なのか、を重点的に考えてリサーチをしてください。
リサーチシステムの情報収集先
社内であれば
販売部門、製造部門、購買部門、調査部門、経理部門などからの情報を収集し戦略を考えます。
社外であれば
調査会社、流通会社、供給会社、顧客などそれらの情報を取り入れてマーケティングを考えます。
実際の現場で得られる情報というのは、とても有益なものです。パソコンや机の上で書いてる計画だけでなく、実際に現場を見て得られる経験、物事の調査はものすごく生きてきます。
現場を見る者こそ現場を制する
情報収集にはスムーズにできるようにしましょう。決断が遅かったり、何かに引っかかって情報がうまくやり取りできないような組織作りをしてはいけません。
では、情報とはどのようなものを集めればいいのか?種類を見てみましょう
情報の種類
売上高、コスト負担、キャッシュフローがどのように動いてるのかを見ます。
商品の性能や機能や特徴などのライバルチェックをしましょう。
販売データも重要です。 POS(Point of sales system)と言って販売時点の情報の事を言います。POSはコンビニエンスストアなどでよく使われています。
顧客の人口動態もあります。顧客はどのような気持ちで、どのような商品を買おうとしているか、何よりも重要なのは顧客による満足度です。
同じ商品を顧客に売ったとしても、その人が感じられる満足度は人それぞれ違います 。効用最大化と言って価値というのは、商品にかけた費用や、 その制作者の思いとかではなく、消費者がどれぐらい満足を得られるのか、商品の価値を決めます。
逆にその反対に不満もあります。不満に対して何を不満に思ったのか、何を不安にさせたのか、のデータを取り入れ、次の商品や次のマーケティングに活かすことがとても重要です 。
問題と調査目的の明確化
問題と調査目的の明確化を話しておきます。まず問題解決のための問いかけ3つです。
- 何のために調査を行うのか
- あらかじめ明らかにしたい問題とは何か
- 明確な目標とは
調査目的は3つに分類することができます。
1:探索型調査
問題を明確にし、仮説構築に必要な情報を収集を目的としています。
2:記述型調査
商品の市場可能性やターゲット市場の実態把握が目的です。
3:原因結果調査
因果関係に関する仮説の検証が目的となります。例えば価格を10%下げると売上高が1.5倍になるなどです
調査結果の解釈と報告
報告調査結果は分かりやすく、誰が見ても理解できるようにします。
簡単な表やグラフを使って分かりやすく、プレゼンテーションと一緒でストーリーを仕立てて解説すると、とても分かりやすくなります。
人間には、見たいものを見て見たくないものを隠そうとする傾向があります。
相手に対して忖度もあります。気を使って事実を伏せ、良い結果だけを見せようとしますが、これでは全く調査の意味がありません。
隠ぺいしたり、歪曲したり、勝手な先入観で結果を作ってもいけません。事実をもとに調査内容を発表して、その事実からどのような対策を得られるか、 仮説を立て現実妥当性を考えてマーケティングの戦略を考えます。
マーケティングリサーチの落とし穴
マーケティングリサーチの落とし穴も理解しておきましょう。
ライバル企業も同じように必ず調査しているはずです。ということは情報は共有していると考えた方がいいでしょう。
こちら気がしている情報ではなく、市場のニーズと欲求をなるべく正確につかむことが重要です。
商品を提示することによって、消費者はそれに対する欲求がでてきます。
消費者というのは、商品を見ても本当に自分がそれを欲しいか、商品自体を正確に判断できていません。このような商品はどうですか?と提示したからといって、消費者は必ずしも欲しいとは限りません。
本当にそれは自分にとって必要なものなのか、というように正しく理解できていない事が結構あります。
つまり欲しいと思い込んでいるだけで、時間が経てばやっぱり違った、というのもあります。
人の欲求を把握するというのはとても困難だということです。
これを解決するためには、日頃から調査、観察、洞察力、テレビの CM やニュース、何かのデータを見ながら、顧客は何を求めてるのか、市場は何が欲しいのか、どのような商品が今後必要であろうか、それに対するマーケティングはどのように組めばいいのか、と思考することが重要です。
一人の調査で解消せず、何人かの調査結果の意見をぶつけてみることも必要です。一人の考えた調査結果では、質も価値もないマーケティング戦略になります。
まとめ
PDCAを回すための情報を調査すること
現場を見る者こそ現場を制することが出来る
調査結果はわかりやすく報告する
顧客は商品を提示しても正確な判断が出来ていない。