消費者モデル4つの要因や購買にいたるプロセスを知っておけば、マーケティングを有利にできます。リピートに繋げるための本当に大事なことも解説します。
Contents
消費者行動モデルや意思決定のプロセスを解説します
記事の内容
消費行動モデルに必要な4つの要因
文化的要因
社会的要因
個人的要因
心理的要因
心理的要因4つの要素
意思決定のプロセスの認識、情報分析に関する重要な要因
購入後の大事な対応
これらを解説します。
消費行動の差異
消費行動は人それぞれ異なります。
消費者行動は男性と女性でも購入するものが異なりますし、単身向けのものも違います。
同じ女性でも30代や50代では全然違います。思考が変われば行動も変わります。
同じ30代の女性でも住む地域や国が違えば異なりますし、同様に地域によっては所得も変わります、所得格差ができれば消費行動は異なります。
マーケティング市場というのは、小さな個体、少数集団の中のセグメンテーションを追求し、ターゲティングを決めます。
ターゲティングを定めたらフィットした商品を売りこんでいきます。少数集団のターゲティングといえど幅広く存在します。
幅が広くなると消費行動の要因も様々に多くなります。購入に至るまでの行動の要因を知っておくことはとても重要なことなのです。
消費行動に影響を及ぼす要因は大まかに分けて4つあります。
- 文化的要因
- 社会的要因
- 個人的要因
- 心理的要因
それぞれ詳細を解説します。
文化的要因
文化(culture)人間の欲求や基盤、行動範囲を大きく異なります。
国や集団社会にはそれぞれの文化があり、日本には日本独自の文化があります。諸外国にもそれぞれの文化があります。
例えば色だけでも考え方は異なります。中国などは幸福の色であったり、共産党の象徴でもあります。ヨーロッパであれば、全てではありませんが情熱の象徴です。また緑となるとイスラムを表す神聖な色とされています。
文化は人間を形成するための大きな要因となります。例えばアメリカ人が日本で生まれ日本で育つと、日本文化で形成されます。つまり日本人独特の感性を持つのです。
遅刻しない、人に迷惑をかけない、これが日本人の考えです。アメリカ人は違います。予定の時間より遅れ、人に迷惑をかけるのあたりまえなので気にしない。
要は人種は関係なく、育った環境や文化によって人間は作られてしまうということです。このことから購買行動を考えるなら、その国の文化を考慮してターゲティングをしっかり組むことです。
国が異なるのに、日本人の文化で売りこむようなことはしてはいけません。
社会的要因
所属グループや集団によっても異なります。
第1集団は、家族や友人や職場の同僚などが第1集団です。
第2集団は宗教団体や労働団体、その他の組合などです
準拠集団もあります。
準拠集団というのは、その人の価値観や信念、態度行動などに強い影響を与える集団のことです。
あんな風になりたい!仲間になりたい!
そういう憧れに対する強い思いや、集団に対する憧れが強くなると、その目的や集団に入るため消費行動は大きく変わってきます。
宗教団体がいい例です。宗教活動のために働いて稼いだお金を寄付しています。自分のために使うのではなく、団体のために使っています。 目的ではなく集団のために消費する行動です。
社会の中で一番小さな集団は家族です。家族、個人の集合体が社会になります。 社会的要因は役割と地位、家族構成によってもどんどん変わってきます。
個人的要因
年齢やライフサイクルの段階、独身、家族、子供の有無、色々ありますが、独身の消費行動は全く異なります。
家庭を持ち子供が出来れば時間が無くなりますし、独身時代にしていた行動は出来なくなります。
また趣味にお金を費やすことが出来なくなります。子供にお金がかかるし、家庭に必要なものを消費するようになり、時間もどんどん無くなります。
家庭を持つ行動と個人的な行動を一緒だと考えて分析することは全く違います。
家庭は家族を中心とした消費行動をします。個人は趣味や付き合いの消費行動をします。消費行動は180度変わります。個人と家族では全く違うのです。
心理的要因
消費行動の要因で言えば、一番影響を受けるのが心理的な要因です。これは重要なことなので4つに分けて説明します。
動機
なぜほしいのか、その動機が十分固まって気持ちをしっかり持っていると、消費行動に迷いがなくなります。
欲しいかどうか迷ってる段階では、やはりまだ確実に購入には至りません。動機付けとなる商品アピールが必要です。
知覚
商品の情報などです。その情報が自分に何を与えてくれるのか?それを買うことによって自分はどう変わるのか?楽しいことであったり、役に立つことであったり、勉強や趣味やゲームであったり、その情報を知っているから行動に出るのです。
学習
以前経験して駄目だったことは二度とやらなくなります。あの商品を買っても駄目だった。買っても効果がなかった。
このような場合は満足よりもお金の損失と効果が見込まなかったガッカリ感を、もの凄い感じてしまいます。
もちろんその商品を買わなくなり、レビューには悪口などをたくさん書かれてしまいます。性能を明確にしないと信用を失うことになります。
信用
何も考えずに信用だけで買うことはよくあります。あの企業が出している商品なら間違いない、むしろ買いたいぐらいの衝動に駆られます。
iPhoneがそうです。 Apple社だったら信用できる。性能がいい安心できる自分にフィットしている。
商品の質ではなく、どの企業が出している商品なのか、が重要になります。これらは信用からつながる消費行動です。
意思決定のプロセス
意思決定にはどのような要因があるでしょうか?決定するまでの行動の見解を辿ってみます。
商品の認識
人が何かを欲しいと思う時というのは、まず自分にとって魅力的であり自分の人生に必要不可欠と考えます。
それを裏付けとなるのは目的です。ターゲティングを定める時というのは商品の質ではなく、顧客がどのような目的をもって商品を認識しているか、を前提に考えましょう。
購買目的を無視して、マーケテイングを考えても無駄に終わります。
情報分析
欲しい商品が定まったら今度は情報収集です。自分にとって当てはまる情報を探しています。
この時も大事なことは質の情報ではなく、購入するために必要な情報です。購入するための理由が欲しいのです。
ここで考えることは得られる喜びよりも、失う損失の方がダメージが大きいので商品の情報はしっかり明確に伝えることが大事です。
顧客は、購入しても大丈夫!その後の損失が無い!そう確信すると購入に移ります。
意思決定
この時点では、目的も情報も明確なので、購買にためらいはありません。
もしこの時点で購入をためらうのであれば、友人のアドバイスや、何か自分にとってマイナス面を発見した時です。
期待して待った商品を当日買うのを止める、なんてことはあまり考えれませんがもし購入しなくても、見込み客ではなったと考えましょう。
購買後の行動
一番マーケティングで重要な部分になります。なぜなら信用やリピートにつながるかは、購入後のケアで決まるからです。
顧客にガッカリさせないために大事なアプローチは、大きな期待をかけすぎないことです。
期待が大きかったばかりに購入後のパフォーマンスが低いと、満足感よりも損失感を大きく感じてしまいます。この損失感に関しては何度も言っているように、とても重要なことなのです。
この損失感から評価も低評価になり、レビューも損害的な要素を書かれてしまいます。何も知らない人が購入するための判断材料となります。
意思が変わるかどうかは別として、判断を鈍らせる要因を与えてしまうことは確実です。
購入後の対応
質問攻めやクレーム対応はしっかりしたほうが良いでしょう。態度が悪い、対応が悪い、ケアがしっかりしていない、メンテナンスの不備が多い。
これらの要因はたちまち信用を無くします。
かといって全員に納得のいく対処が出来るわけではありません。クレームが来ることはあたりまえであり、完璧な商品は作れません。
ですがケアや顧客の要望に耳を傾けることはできます。うまく不満を解消できれば次の購買につながります。
顧客の声は次回の商品開発に活かせるので、しっかりした対策や改善を心掛けることが大事です。
意思決定プロセスには、マーケティング戦略を組むための要素がたくさん詰まっています。
その他大勢に対するマーケティングでは決して上手くいきません。
心理的要因と購入後の対応こそが、利益をもたらす要因となるのです。
まとめ
消費者モデルは同年代や文化によっても大きく変わるので、それぞれのマーケティングが必要。
意思決定のプロセスには、顧客がどのような目的をもって商品を認識しているか、を前提に考える。
顧客は満足感よりも損失感の方が大きく感じる。
購入後の企業の対応がその後の行動に大きな影響を与える。